ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 (2019)
ミステリー好きというのもあるけど、今回はD.クレイグが主演ということでの鑑賞。
007とは全然違う、特別カッコが良いわけじゃない普通のおじさんを演じていて、それはそれで味があるというか。
D.クレイグは探偵役なんだけど、全部を解決していくというスーパー探偵ではなく、物語の進行役的な位置だったように感じました。
作品自体、奇抜なミステリーというわけではなくて、比較的王道なつくりをしています。富豪の死に遺産相続。探偵の登場と怪しすぎる家族。でもその王道な展開は嫌いではないです。
家族全員の思惑と、スロンビーの思いがすれ違いすぎて切なくなるんだけど、彼の看護師が背負わされた状況は気の毒としか言いようがない。この看護師の、嘘をつくと吐き気を催すというユニークな設定で犯人を特定していくというアイデアは、中々面白かったです。
でもね、スロンビーは良かれと思って彼女にすべてを任せ、遺産を相続させたんだろうけど、こんな面倒なことに巻き込まれるくらいなら遺産なんていらん!と、個人的には思ってしまったけど…。
それでも立ち向かっていくのは、移民という立場だったり、それだけの金額だったり、スロンビーへの想いなんでしょうね。そんな背景を描きつつ、ラストで屋敷から去っていく家族との立場が逆転したという絵が良かったです。
単純に面白かった。周囲に勧めてしまうほどのお気に入り作品です。
≪ネタバレ≫
C・エヴァンスの存在は、何か匂います。他に知ってる俳優さんがいない所為だけど、この人が単なる脇役か?と思ってしまったけど、看護師を助けていく途中で、敵か味方か、と思いながら観てました。
個人的には、これだけの役者だもん、犯人でも当たり前か~と納得。
本物か偽物か分からないナイフ。一瞬ドキッとしたけど、このナイフの伏線ってあったのかな?
ラストレター(2019)
福山雅治ファンとしては、観に行くまでの2週間で、比較的高評価なのでホッとしていました。
俳優・福山雅治を冷静には評価できないので^^;
ドローンの映像シーンが多くて、それいる?とは思いながらも、全体を通してとても綺麗な映像と、松たか子のコミカルな演技に終始楽しませてもらいました。
そして何より、広瀬すず。恐るべし!
母と娘の二役を演じているのだけど、演じ分けはさすがとしか言いようがない。
ラスト、母親の元カレである乙坂とのやり取りはとても高校生には思えないけど、胸を撃たれる演技でした。
もっと若かったら受け止め方も違ってたかも、でもこの歳だと冷静に観ちゃうね~と、同行した従妹が言ってたけど納得。隣の女性が後半ずっと泣いていたようだった。苦い恋愛を経験したことがある人には刺さるシーンは多いかもしれないなあ。
予告編を観たとき、かつて好きだった乙坂と、妹の裕里の恋模様に展開するのかと思っていたけど、そこまでの恋物語ではなくて、ある意味平凡な日常に戻っていくラストには好感が持てました。
乙坂はこれをきっかけにまた小説を書くんだろうし、それはきっとヒットするんだろうなあと思いながら、そんな余計なシーンがないことも良かったかな。
ふたりの未来をちょっとだけ想像して、まるで本当の同級生みたいに思いを馳せたりしました。
くたびれた中年の売れない作家を演じた福山クン。
「マチネの終わりに」では彼を見たかったけど、今作では作品自体をまた観たいと思えて、作品に溶け込んでるじゃん、と例のごとく上から目線の感想です^^;
ジョジョ・ラビット(2019)
戦争映画はいろいろ観てきました。重く苦しく、救いのない作品も多かったけど、この作品には希望を強く感じました。
愛国精神旺盛で心優しいジョジョがとても魅力的。ジョジョの周囲も、皆愛すべきキャラなのです。
友人のヨーキ―、クレンツェルドルフ大尉、反戦活動をする母親、母親によって壁に匿われていたユダヤ人の少女。
そしてキーワードはダンスと靴紐。これが伏線となって最後は涙を誘います。
大人はちゃんと子どもを守り、未来を託します。託されたという認識はなくても、ちゃんと成長した10歳半のジョジョの表情が、ぐっと大人っぽくなっていてカッコよかった。
スカーレット・ヨハンソンも母親役をするようになったんだね~と考え深い。大きな愛情でジョジョを包み込み、大切なことを伝える素敵な母親でした。
クレンツェルドルフ大尉を演じたサム・ロックウェルも良かったな~。ユダヤの少女を助けたことも、最後にジョジョを助けたことも、真のヒーローでした。
ほのぼのとした青春ドラマかと錯覚しそうだった最後の最後に、激しい戦闘シーンが繰り広げられ、戦争映画なのだと胸が締め付けられました。
魅力的なキャラがたくさん登場する今作は、時間を置いてまた観ようと思います。
ダウントン・アビー 2019
TVシリーズをずっと見てきたので、楽しみにしていた作品でした。
国王の来訪をきっかけとして、ダウントンの使用人たちがそれぞれの持ち味を発揮して大活躍。
馴染みの使用人たちの会話を楽しみたかったので、敢えて吹き替え版で鑑賞したんですが、大正解。
表情やアイコンタクトなど、充分に楽しむことができました。
貴族社会の変遷を楽しむことができるこのシリーズだったけど、今回もその辺りは強く感じました。
時代とともに変わるべきか、変わらずに留まるべきか、葛藤を抱える長女のメアリーを支え続ける使用人や祖母が本当に素敵でした。
そしてそして、推しメンのトムにいい雰囲気の女性が現れたり、不運続きだった執事のバローさんに恋人が出来たり、これで終わりだといわんばかりに、みんなにしあわせが訪れます。
泣かしてくれるじゃありませんか!
ダウントンの今後は、決して穏やかな航海ばかりではないと思われるけど、逞しく美しい女性たちの力で乗り切っていくんだろうと、光に輝くダウントンを観て感じました。
1912年のタイタニック号沈没から始まったこのシリーズは、貴族の生活を垣間見ることができたり、女性たちの衣装の変遷を見ることができたりと、英国貴族の歴史を辿る物語として興味深かったんですが、登場人物全員が主人公になるような、濃厚なストーリーも見ごたえがありました。
それらの集大成として、今作は良くまとめてあったと思います。こちらも満足度高めでした。
ヒックとドラゴン 聖地への冒険 2019
たまたま観た1が面白くて、トゥースが可愛くて大ファンになっていた作品でした。
2は劇場未公開で、レンタルして観たんだけど、やっぱり1は超えられないかな~と思っていたんだけど、今回また劇場でトゥースを観られる!と懲りずに行ってきました。
予告編などで何となくストーリーは予想はしていて、その予想を裏切ることはない展開でした。
対象年齢が低めを設定しているのか、それほど残酷なシーンもなく、というかどちらかというともっと悪役は悪役であってほしかったし、例えそうであっても戦闘シーンはもっとあってもいいんじゃないかなあとは思いました。ドラゴンのカッコよさ、見たかったかなあ。
とはいえ、トゥースは可愛かった💖
そして最後に、ヒックがトゥースに語り掛けます。「これからは自分のためにいきてほしい」と。
この台詞、すごく響きました。
自分のためというのは、自己中心的ということではなく、我慢してまで誰かのために生きることはないということではないかな。
最近、アスリートの方たちが国のため、ファンのためと背負いすぎてるんじゃないかと思っていたので、もっと自分のために自由に競技をしてほしいなあと思っていたから、すごくすごく響きました。
トゥースはこれから自分の家族を持って、それを守って生きて行く。なんて素敵なこと!
そしてそして、絶対に描いてほしかったその後のエピソードもあって、泣いちゃいました🤣
結びの作品として良くまとまっていました。満足度高め✨
ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 2019
新年1本目。
選んでよかった~!というハートフルな大人のロマコメ。
多分、10年前なら逆の設定になっていたと思われます。実際に、そういう作品ありますよね。
でも、今の時代、キャリアを積む女と失業中の男という設定になっちゃうんですね。
それにぴったりのキャスティング。
セス・ローゲンのダメっぷりと、シャロン・ストーンのカッコよさと、それぞれの良さが作品を盛り上げていました。
フレッドが正装して出てきたシーンは、しばらく笑いを堪えるのが大変だったけど、それもやっぱりセス・ローゲンの力かと(*^_^*)
男とか女とか関係なく、置かれた場所で輝く人たちはカッコいいんだと、さらりと描いているのが心地よかったです。
《ネタバレ》
たとえ大統領の指示に逆らいフレッドを守ったシャーロットが、ふたりしてメディアの前に立ったシーンは本当にカッコよかったし、初の女性大統領になったり、それを支えるフレッドもカッコよかったo(^▽^)o