ドッグヴィル

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床に家や道などを表わす白線を引き、必要最小限の家具などを置いただけの殺風景なセットを村に見立てて3時間弱に及ぶ全編を撮り上げ、初公開となったカンヌ国際映画祭で話題騒然となった衝撃の問題作。ギャングに追われる一人の女性をかくまうことにした小さな村を舞台に、女性と村人の関係の移り変わりをプロローグと9つのエピソードに分け、緊張感溢れるタッチで綴ってゆく。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督による“アメリカ三部作”の第1弾。主演は「めぐりあう時間たち」「ムーラン・ルージュ」のニコール・キッドマン。あまりにも独創的なスタイルゆえに、撮影期間を通して戸惑い、追い詰められていく出演者たちの姿を捉えたドキュメンタリー「メイキング・オブ・ドッグヴィル ~告白~」も製作され、別途劇場公開される。
 ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。ある日この村の近く、ジョージタウンの方向から銃声が響いた。その直後、村人の青年トムは助けを請う美しい女性グレースと出会う。間もなく追っ手のギャングたちが現われるも、すでに彼女を隠し、その場を切り抜けるトム。彼は翌日、村人たちにグレースをかくまうことを提案した。そして、“2週間で彼女が村人全員に気に入られること”を条件に提案が受け入れられる。そうしてグレースは、トムの計画に従って肉体労働を始めることになるのだが…。(allcinema)


美しき逃亡者があらわれ、一つの村が消えた。

審判の日がくる。


2003年作品

カンヌ国際映画祭で話題騒然となった衝撃の問題作』というコメントと
ニコール・キッドマン主演と言うことでレンタルしたんですが。

いや~。
びっくりの作品でした!


まるで舞台でも観ているような感覚になる手法。

建物はなく、舞台上の線で通りや家を想像するだけ。
登場人物は、あたかもドアがあるようにノブを回す。
生えていない草を抜く。
隣で何が起きているか、見えない、聞こえない…。
吠える声は聞こえるけど、存在しない犬に話しかける。


こちらの想像力も必要です。


そんなちょっと変わった画面の中で起こることは、
とても現実とは思えないことばかり。


親切だと思った町の人が、
愛していると思った彼が、
時間とともに人間の本質が見え始めていくのです。

これはとても怖いことです。

人は理性でそれをカバーして生きている。
理性がなくなったとき、人はこんなにも身勝手になるのかと…。



途中、苦しくて観るのを止めたくなるのですが、でも結末も知りたい…。


N.キッドマン扮するグレースの状況は、日増しに悪化していくのです。

こんな状況で、なぜ我慢できるのか。
グレースの気持ちが理解できずに、嫌な気分になって行きました。


結末は…。
思った通りで、ある意味でほっとしましたが、
人の醜さをこれでもか!という感じで見せられるし、
3時間くらいの大作なので、
2度は観ないでしょうね。


グレースに何が起こるのか興味がある方、いかがでしょう。
ただし、覚悟してご覧ください…。