グリーン・ゾーン (2010)

 
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ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」の監督・主演コンビ、ポール・グリーングラスマット・デイモンが、イラクの戦場を舞台に描く社会派サスペンス・アクション。多くの血が流れたイラク戦争において、その大義とされた“大量破壊兵器”を巡る情報そのものへの疑問を抱いた一人の米軍兵士が、アメリカ政府の激しい内部抗争に巻き込まれながら繰り広げる真実追求への孤独な戦いの行方を、極限のテンションと臨場感でスリリングに綴ってゆく。
 フセイン政権陥落直後のイラクバグダッド。米陸軍のロイ・ミラー准尉と彼の部隊は、大量破壊兵器の発見という極秘任務に就いていた。しかし、上からの指示に従って捜索を繰り返しても、一向に兵器はおろか、その痕跡すら掴めずにいた。次第に、情報源への疑いを強めていくミラー。しかも、ようやく手にした重要な手がかりは国防総省のパウンドストーンによって握りつぶされてしまう。国防総省への不信が募るミラーは、同じ疑念を持つCIAのブラウンと手を組み、独自の調査に乗り出すが…。(allcinema)
 
 
2010年 フランス/アメリカ/スペイン/イギリス
原題:GREEN ZONE
 
グリーン・ゾーン──。そこは、偽りに支配された安全地帯。
 
監督: ポール・グリーングラス  
原案: ラジーフ・チャンドラセカラン 
脚本: ブライアン・ヘルゲランド 
音楽: ジョン・パウエル 
出演: マット・デイモン 米国陸軍上級准尉/MET隊隊長 ロイ・ミラー
    グレッグ・キニア 国防総省/情報局 クラーク・パウンドストーン
    ブレンダン・グリーソン CIA マーティン・ブラウン
    エイミー・ライアン ウォール・ストーリト・ジャーナル記者 ローリー・デイン
    ハリド・アブダラ フレディ
    ジェイソン・アイザックス 米国陸軍少佐 ブリッグス
    イガル・ノール 
 
 
ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」の監督・主演コンビ、となれば
観ないわけにはいかないでしょう。
予告が始まった頃から楽しみにしていました。
 
公開初日は14日。
TOHOデーで千円で観られる日です。
客席もかなり埋まっていました。
 
…けど…。
う~ん。20代のカップルは楽しめたかしら?といらぬ心配を…(^^ゞ
何しろ20代の後輩は、【第9地区】でも難しかった、と言っていたので。
 
 
【第9地区】はそっち物ではなかったけど、
ハードな作品が続いた中で、今作はそれまでの2作品よりヒーローが活躍してました。
 
マット・デイモンは、大量兵器を探す部隊の隊長・ミラー准尉。
パソコンを扱ったり、車でのアクションシーンでは、
やはり“ボーンシリーズ”を臭わせてはいたものの、
国を思う軍人像がよく描かれていたようです。
 
アメリカがイラクに戦争を仕掛けた意味。
大量破壊兵器が見つからなかったら、いったいどこに正義があるのか…。
ミラー准尉の困惑や焦り。
それは多くのアメリカ人の思いだったかもしれません。
 
【ハートロッカー】とは違って、
最後にミラー准尉が真実のレポートを書きあげたことで、丸く収めた感じがするんですけど、
そういう、ある意味勧善懲悪のアクションものに仕上がったことは、
観る側はほっとさせてくれます。
 
実はとっても奥深い政治的な思惑があるんでしょうけどね…。
 
 
手持ちカメラで撮影された映像は、かなり揺れます。
最近ではよく見かける手法になりましたけど、
臨場感は認めますけど、気を許すと酔いそうですね(^^ゞ
 
 
そういう緊張感が持続する市街地と、対照的に穏やかなグリーンゾーン。
こんなにもかけ離れた空間が隣同士に存在する…。
戦闘服で現れるミラーがあまりに不似合いで、
もしかしたら遠く離れたアメリカ本土では
もっと現場の緊張感なんて伝わらないのかもしれないな~、
戦争って他人事になってしまうじゃないかと感じました。
 
でも、現実に家族を戦地へ送っている人もいるわけだし、
無意味な戦争だとしたら、やはり許せないですよね。
 
 
こんなにもイラク戦争を題材にしたがるのは、
アメリカ自身が疑問を持っているからなんでしょうね。
 
 
“ボーンシリーズ”とは違って、ロマンを感じる作品ではないけど、
アクションシーンとマット・デイモンのカッコよさは、充分に堪能できます。