サンシャイン・クリーニング

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 負け組な人生を送る問題だらけの美人姉妹が、一発逆転を狙って始めた事件現場のクリーニング事業を通して様々な経験を積み、人生を見つめ直していく姿をユーモアを織り交ぜ乾いたタッチで綴る切なくて心温まるヒューマン・コメディ。主演は「魔法にかけられて」「ダウト ~あるカトリック学校で~」のエイミー・アダムスと「プラダを着た悪魔」「ジェイン・オースティンの読書会」のエミリー・ブラント、共演に「リトル・ミス・サンシャイン」のアラン・アーキン。監督は「シルヴィア」のクリスティン・ジェフズ。
 かつては学園のアイドルだった姉のローズだが、30代の今は問題児の息子オスカーを抱えたシングルマザー。仕事も冴えないハウスキーパーで、おまけに学生時代の恋人と腐れ縁のまま不倫中。一方の妹ノラは、いまだに自立できずに父親と同居中。仕事も自覚が足らずにバイト先も長続きしない。父親も父親で一攫千金を狙って怪しげなお菓子の訪問販売に手を出すダメおやじ。そんな中、息子と家族のためにと、ローズは割のいい仕事を求めて事件現場のハウス・クリーニングを始めることに。嫌がるノラも無理やり手伝わせたものの、最初は現場の予想以上の惨状に悪戦苦闘する2人だったが…。(allcinema)
 
2008年 アメリ
原題:SUNSHINE CLEANING
 
がけぷち姉妹、
事件現場のクリーニング始めました。
一緒にいれば
悲しみも洗い流せる
 
監督: クリスティン・ジェフズ 
製作: グレン・ウィリアムソン  マーク・タートルトーブ  ピーター・サラフ  ジェブ・ブロディ 
脚本: ミーガン・ホリー 
撮影: ジョン・トゥーン 
プロダクションデザイン: ジョー・ギャリティ 
衣装デザイン: アリックス・フリードバーグ 
編集: ヘザー・パーソンズ 
出演: エイミー・アダムス ローズ・ローコウスキ
     エミリー・ブラント ノラ・ローコウスキ
     ジェイソン・スペヴァック オスカー・ローコウスキ
     メアリー・リン・ライスカブ リン
     クリフトン・コリンズ・Jr ウィンストン
     エリック・クリスチャン・オルセン ランディ
     ケヴィン・チャップマン カール
     スティーヴ・ザーン マック
     アラン・アーキン ジョー・ローコウスキ
     ジュディス・ジョーンズ 
     エイミー・レッドフォード 
 

サンシャイン・クリーニング」というタイトルから、
事件現場の清掃というちょっと特殊な仕事をする姉妹の奮闘記、なのかと思っていたら
姉妹や、彼女たちを取り巻く環境を描いたヒューマンドラマでした。
 
 
学生時代はチアリーダーで、アメフトの花形選手の恋人もいたという姉のローズ。
ところが今は、ハウスクリーニングの仕事をしながら一人息子を育てるシングルマザー。
おまけにそのアメフトの元彼と不倫中。
これはかなり痛い設定です。
過去の栄光にしがみついていて変なプライドばかり高くて、
呆れるより、苦しくなるような女性です。

不動産の仕事し、ふたり目の子供を妊娠中のリッチなクライアントは元同級生。
立場が逆転していることは明らかでした。
そこで交わされる会話。
ローズの見栄っ張りさはよく描かれています。
 
新しく始めたかなり特殊な仕事は、ローズに自信を取り戻させていきます。
 
自分は頑張れる、パワフル。勝ち組、と言いながら自分を励ましたローズが
負け組を認めた時、彼女の成長を感じました。
 
自分に嘘をつかないこと。
自分をごまかさないこと。
それは難しいことだけど、やってみるととても楽になるんですよ。
 
母親がいなくなって、きっと家族の母親的存在として頑張ってきたんだろうな。
父親のことも妹のことも、全部自分が守らなくちゃいけない。
肩肘張って、精一杯頑張ってきたんだよね。
もういいんだよ。
ローズにはそう言ってあげたくなりました。

妹のノラは、何をやっても中途半端。
バイトはクビになるし、ローズの息子の子守りをしても危なっかしい。
ノラに関してはローズほどはっきり描かれてはいないんですが、
どうやら母親の自殺が関係しているようでした。
そのトラウマから、自分をコントロールできないのかな。
 
ローズ中心で描かれているので、
ノラがどんな気持ちでローズと仕事を始める気になったのか、とか、
仕事場で見つけた写真の持ち主を探したこととか、
姉との若いから決別など、ノラの気持ちがやや薄い気がして残念でした。

それ以外にもちょっと風変わりな父親や息子もユニークだし、
仕事で出会った清掃用具店のウィンストンの雰囲気もいいし、
登場人物はみな好感が持てます。
 
エイミー・アダムスエミリー・ブラントって似てませんか?
本当の姉妹みたいに見えました(^^ゞ
二人とも、印象的な人物像を描き出していました。

見せ場とか盛り上がりはないし、
かなり風変りな家族なので感情移入できるかどうかは別として
女性の成長とか、家族の再出発を応援したくなる作品です。