英国王のスピーチ (2010)

イメージ 1
 

ブリジット・ジョーンズの日記」「シングルマン」のコリン・ファースが、エリザベス女王の父にして国民から慕われたイギリス国王ジョージ6世を演じて絶賛された感動の伝記ドラマ。吃音症に悩みながらも妻エリザベスの愛とスピーチ・セラピストのサポートで歴史的演説を成し遂げ、国民のリーダーとして戦争という難局に立ち向かう姿を描き出す。共演はジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター。監督は「くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-」のトム・フーパー
 英国王ジョージ5世の次男ジョージ6世は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、人前に出ることを極端に恐れる内向的な性格となり、成人してからも自分を否定し続ける人生を送っていた。吃音を克服すべく、何人もの言語聴覚士の治療を受けるものの一向に改善の兆しは見られない。そんな夫を心配する妻エリザベスが最後に頼ったのはスピーチ矯正の専門家というオーストラリア人のライオネル。彼は王子に対しても遠慮のない物言いで次々と風変わりな治療法を実践していく。そんな中、国王に即位した兄エドワード8世が、王室が認めない女性との愛を貫き、突如王位を返上してしまう。王位の継承など考えてもいなかったジョージは、最も恐れていた事態に直面し、恐怖のあまり泣き崩れてしまうが…。(allcinema)
 
2010年 イギリス/オーストラリア
原題:THE KING'S SPEECH
 
国史上、
もっとも内気な王。
 
監督: トム・フーパー 
製作: イアン・カニング  エミール・シャーマン  ギャレス・アンウィン 
製作総指揮: ジェフリー・ラッシュ  ティム・スミス  ポール・ブレット 
             マーク・フォリーニョ ハーヴェイ・ワインスタイン  ボブ・ワインスタイン 
脚本: デヴィッド・サイドラー 
撮影: ダニー・コーエン 
プロダクションデザイン: イヴ・スチュワート 
衣装デザイン: ジェニー・ビーヴァン 
編集: タリク・アンウォー 
音楽: アレクサンドル・デスプラ 
音楽監修: マギー・ロドフォード 
出演: コリン・ファース ジョージ6世
       ジェフリー・ラッシュ ライオネル・ローグ
       ヘレナ・ボナム=カーター エリザベス
       ガイ・ピアース エドワード8世
       ティモシー・スポール ウィンストン・チャーチル
       デレク・ジャコビ 大司教コスモ・ラング
       ジェニファー・イーリー ローグ夫人
       マイケル・ガンボン ジョージ5世
       ロバート・ポータル  エイドリアン・スカーボロー  アンドリュー・ヘイヴィル 
       ロジャー・ハモンド パトリック・ライカート  クレア・ブルーム  イヴ・ベスト 
 
 
この映画とともに、今回の東北地方の地震を思い出すことになるでしょう。
被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

そんな週末、観てきました。
早く早く、と思っていたんですけど、
タイミングが合わず、かなり出遅れた鑑賞となりました。
 
なんとも上質な作品ですね。
アカデミー賞を受賞したからということではなく、
コリン・ファースの演技は本当に素晴らしく、
本物のジョージ6世がこんな人だったのでは、と思うほどです。
そして、最後まで付添い続けたというローグを演じたジェフリー・ラッシュ
スピーチを終えた国王を見送る姿に、
満足感や達成感とともに、もしかしたら一抹の寂しさもあったのかしら、
と思ってしまうほどの深い表情。
どこかしらユーモラスなエリザベスを演じたヘレナ・ボナム=カーター。
王妃なんでしょうけど、そんな姿より妻として、母としての姿に徹していたように見えました。
 
この三人が落ち着いて見せてくれるので、
ストーリーも素直に心に響きます。
 
ジョージの気質がちゃんと描かれていて、
単にコンプレックスを持った国王というだけでなく、
やはりそういう素質も持ち合わせていたんだ、だから周囲が期待したんだ、
とちゃんと伝わってくるのです。
 
一人の人間の苦悩や絶望、そして自分の手でつかんだ輝かしい未来。
憎らしいエンディングでした。

その憎らしい演出のもう一つが音楽ではないでしょうか。
感動のスピーチで流れるベートーヴェン交響曲第7番第2楽章。
この重っ苦しい曲に煽られて、心拍数が上がります。
そしてエンドロールに流れる、同じくベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番“皇帝”第2楽章。
最高潮に達した心拍数を、一気に下げてくれる清涼飲料水の効果。
デスプラの音楽とともに、クラシックの名曲が盛り上げていることは間違いありません。
 
 
 
 
《おまけ》
 「王冠を賭けた恋」のウィンザー公爵の話は知っていたんですけど、
  まさかそのお相手があんな方だとは…。
  現在のチャールズさんと被ってしまいました(^^ゞ