少年は残酷な弓を射る

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 主演を務めたティルダ・スウィントンの迫真の演技が高い評価を受けた衝撃のサスペンス・ドラマ。ライオネル・シュライバーの同名ベストセラーを「ボクと空と麦畑」「モーヴァン」のリン・ラムジー監督で映画化。恐るべき事件を引き起こした少年の母親が、幼い頃から自分に執拗な悪意を向け続けた息子との葛藤の日々と向き合い自問する姿を、緊張感溢れる筆致で描き出す。共演は美しさと残酷さを併せ持つ息子を演じ高い評価を受けた新星、エズラ・ミラーと「シカゴ」のジョン・C・ライリー。
 自由奔放に生きてきた作家のエヴァは、突然の妊娠に戸惑いを拭えなかった。やがて誕生した息子ケヴィンは、なぜか自分にだけ懐こうとせず、子育ては苦難の連続となる。成長するにつれ、反抗的な態度はエスカレートし、エヴァは我が子に対し恐怖さえ抱くようになる。夫に相談しても真剣に取り合ってもらえず、次第に不安が募っていくエヴァだったが…。<allcinema>
 
2011年
原題:WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN
上映時間 112分
製作国 イギリス
母さん、僕が怖い?
監督: リン・ラムジー 
製作: リュック・ローグ  ジェニファー・フォックス  ロバート・サレルノ 
製作総指揮: スティーヴン・ソダーバーグ  クリスティーン・ランガン  ポーラ・ジャルフォン 
         クリストファー・フィッグ  ロバート・ホワイトハウス  マイケル・ロビンソン 
         アンドリュー・オアー  ノーマン・メリー  リサ・ランバート 
         リン・ラムジー  ティルダ・スウィントン 
原作: ライオネル・シュライバー 『少年は残酷な弓を射る』(イースト・プレス刊)
脚本: リン・ラムジー  ローリー・スチュワート・キニア 
撮影: シーマス・マッガーヴェイ 
プロダクションデザイン: ジュディ・ベッカー 
衣装デザイン: キャサリン・ジョージ 
編集: ジョー・ビニ  キャスティング: ビリー・ホプキンス 
音楽: ジョニー・グリーンウッド 
出演: ティルダ・スウィントン エヴァ
    ジョン・C・ライリー フランクリン
    エズラ・ミラー ケヴィン
    ジャスパー・ニューウェル  ロック・ドゥアー  アシュリー・ガーラシモヴィッチ 
    シオバン・ファロン・ホーガン  アースラ・パーカー 
 
ティルダ・スウィントンという女優さん、なんだか気になる人で…。
今回の作品も彼女観たさだったんですが、驚きの内容でした。
 
自分の子供なのに好きになれない。
どうして接していいかわからない。
たまに耳にすることですが、個人的には子どもがいないのでコメントのしようもなく…。
エヴァの戸惑いやいら立ちがよく伝わる映像が続きます。
 
現在進行の物語と、過去の物語が行き来するので、
観ている側にも不安というか、疑問もわいたりと、妙なざわつき感というのでしょうか
そういう感覚で観ていました。
とにかく、なぜエヴァが人々から非難されるのかが、明確でない。
ただもしかしたら、という憶測で見続けなくてはいけないんです。
 
エヴァの戸惑いともに、息子ケヴィンの母親に対する行動、心情も浮き彫りになるにつれ
この親子はなんだろうと感じてしまいます。
ケヴィンの母親への悪意?敵意?
それをなんというのか分かりませんが、
とても聡明なケヴィンが、母親の自分に対する戸惑いを見抜いたかのような感情。
演じたエズラ・ミラーが凄まじい。
もちろんティルダ・スウィントンは迫真の演技ですけど、
エズラ・ミラーも負けてません。
きれいな顔をして、悪魔の心を持つ少年を熱演。
 
 
結局、このふたりの関係は修復できるのか。
いや、もともと理解しているのに、していないふりをしていたのか。
ケヴィンの起こした驚愕の事件に、うろたえるエヴァを思うと
いたたまれなくなりました。
 
ケヴィンの気持ちを理解するのは難しいし、
彼が何を考えて行動したのかは、語られていません。
家族を壊され、それでも一人残った母親は息子を切り捨てることができない。
どんなに中傷されても逃げない。
いたずら書きを消し続ける。
ベッドメイキングをし、息子に会いに行く。
それが親子なのかもしれません。