ルビー・スパークス

 「リトル・ミス・サンシャイン」のジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリス監督が贈るファンタジック・ラブ・ストーリー。小説家の青年の前に、彼が創り上げた理想のヒロインが現実となって姿を現わし、夢のような日々が始まると思いきや、なかなか青年の思い通りには行かないロマンティックにして切ない恋の行方を綴る。主演は「リトル・ミス・サンシャイン」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・ダノ、ヒロインにはエリア・カザンの孫娘で本作の脚本も手がけるゾーイ・カザン。共演はアントニオ・バンデラスアネット・ベニング
天才と騒がれ若くして華々しいデビューを飾った小説家のカルヴィン。しかしその後が続かず、今や極度のスランプ状態に。すっかり心を閉ざし、セラピーに通う彼は、セラピストのアドバイスで、理想の女の子“ルビー・スパークス”をヒロインにした小説を書き始める。すると突然、現実の世界で彼の前にルビーが現れる。しかもカルヴィンがタイプライターを叩けば、ルビーはその言葉通りに振舞うのだった。この魔法のような出来事に戸惑いつつも、ルビーとの日々に幸せを感じるカルヴィンだったが…。<allcinema>
2012年 原題:RUBY SPARKS 上映時間:104分 製作国:アメリ
人が出会い、恋におちるだけで それはすでに、ミラクル。
監督:ジョナサン・デイトン ヴァレリー・ファリス
製作:アルバート・バーガー ロン・イェルザ
製作総指揮:ロバート・グラフ ゾーイ・カザン ポール・ダノ
脚本:ゾーイ・カザン                            イメージ 1撮影:マシュー・リバティーク
プロダクションデザイン:ジュディ・ベッカー
衣装デザイン:ナンシー・スタイナー
編集:パメラ・マーティン
音楽:ニック・ウラタ
音楽監修:ダン・ウィルコック
出演:ポール・ダノ  カルヴィン                         ゾーイ・カザン  ルビー                          アントニオ・バンデラス  モート                     アネット・ベニング  ガートルード                    スティーヴ・クーガン  ラングドン                    エリオット・グールド  ローゼンタール博士              クリス・メッシーナ  ハリー                        アーシフ・マンドヴィ   トニ・トラックス                 デボラ・アン・ウォール   アリア・ショウカット

処女作がヒットした後、二作目が書けなくて鬱々としている若き小説家のカルヴィン。
セラピストからの提案で、自分の理想とする女性の小説を書き始めるんだけど、
何故かしら突然、その主人公、ルビー・スパークス
実在の人物として目の前に現れたもんだから、カルヴィンの生活は一変することに。

理想の人が目の前に現れて、自分の恋人だったら!?
うらやましいと思うかもしれないけど、
そう一筋縄ではいかないから面白いんですよね。

性格や行動は、カルヴィンの思うがまま。
タイプで文章にしていくと、その通りになっていくわけです。
突然フランス語を話したり、笑ったり怒ったり…。

徐々に戸惑いから喜びに変わり、それが傲慢さに発展。
自分だけのものだと思っていたのに、
ルビーに自我が芽生え始めてしまうのです。

ちょっとオカルトチックなワンシーンもあって、
例えどんな相手であっても、ちゃんと向き合わないとダメなんだよね。
と思ってしまいました。

周囲とコミュニケーションをとれないカルヴィンは、
自分の世界、自分が書く小説の世界でもコミュニケーションが取れなくて、
いつまでも自分の殻に閉じこもってはだめだと気がつくわけです。

一度は書くことを辞めてしまうカルヴィンだったけど、
ルビーとのことを小説にして、再度脚光を浴びることになります。


ワープロからパソコンに変わったことで、
カルヴィンを取り巻く環境が変わったことを暗示しているようで、面白かったです。

そしてラスト。
今度は現実社会で恋人ができる予感…?

外に向けて自己を表現できない若者。
今時なんでしょうね~。
そんなカルヴィンを演じたポール・ダノ
飄々とした感じが、カルヴィンにぴったりでした。

ルビーを演じたゾーイ・カザン
凄く個性的な容姿をお持ちですが、
脚本も手がけてたり、かの名匠エリア・カザンのお孫さんだとか。
才能を引き継いでいるんでしょうか。
今後も注目ですね。