グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 (2014)

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 ニコール・キッドマンがハリウッド・スターからモナコ公妃となった伝説の美女グレース・ケリーを演じる伝記ドラマ。モナコ公妃としての生活に馴染めず苦悩を深めるグレース・ケリーの心の葛藤と、夫レーニエ公とフランス大統領シャルル・ド・ゴールとの政治的対立をめぐる国家の危機に際し、彼女がいかなる選択をしたか、その知られざる秘話を描く。共演はティム・ロスパス・ベガフランク・ランジェラ。監督は「エディット・ピアフ愛の讃歌~」のオリヴィエ・ダアン
 1956年、人気絶頂の中、26歳という若さで突然ハリウッドから引退し、モナコ大公レーニエ3世の妻、モナコ公妃となる道を選んだグレース・ケリー。その“世紀の結婚”から6年、彼女はいまだに宮中のしきたりに馴染めず、孤立感を募らせる息苦しい毎日を送っていた。そんな時、ヒッチコック監督から次回作「マーニー」のヒロイン役を直々にオファーされ、心ゆれるグレース。ところが折しも、モナコが国家存亡の危機に直面してしまう。フランスのド・ゴール大統領がモナコに過酷な課税を強要し、一触即発の緊張状態に陥ってしまったのだ。大国フランスを相手にやがて万策尽きるレーニエ。そんな夫を支え、愛する家族と国家を守るため、グレースはある覚悟を胸に行動を開始する。<allcinema>
原題:GRACE OF MONACO 上映時間:103分
製作国:フランス/アメリカ/ベルギー/イタリア
世界を動かした、一世一代の<大芝居>。
監督:オリヴィエ・ダアン
脚本:アラッシュ・アメル
プロダクションデザイン:ダン・ヴェイル
衣装デザイン:ジジ・ルパージュ
音楽:クリストファー・ガニング
出演:
ニコール・キッドマン/グレース公妃
ティム・ロス/レーニエ3世
フランク・ランジェラ/タッカー神父
パス・ベガマリア・カラス
パーカー・ポージー/マッジ
マイロ・ヴィンティミリア/ルパート・アラン
デレク・ジャコビ/デリエール伯爵
ロバート・リンゼイ/オナシス
ジェラルディン・ソマーヴィル/アントワネット
ニコラス・ファレル/ジャン・シャルル
アンドレ・ペンヴルン/シャルル・ド・ゴール
ロジャー・アシュトン=グリフィス/ヒッチコック
グレース・ケリーというハリウッド女優が、
モナコの国王に嫁ぎ、若くして亡くなった、ということは知っていたけど、
モナコという国については知識がなくて、
そういう国だったんだ、そんなことがあったんだと、
50年ほど前に実際に起こった世界情勢も知ることができる作品です。

リアルタイムでグレース・ケリーを知っているわけではないけど、
ニコール・キッドマンは、それなりに彼女を演じていたのではないかな。
そんな感じがしました。

今作は、結婚して6年。
モナコ公妃として馴染めずにいるグレースに、
ヒッチコック監督から主演の依頼があったり、公国が国家存亡の危機に陥ったりという、
その時期だけに焦点を絞って描いています。

そのせいもあってか、ハリウッドからの引退、結婚といった部分はほぼ省力状態。
グレースの置かれている立場とか、モナコ公国の状況などは、
少しずつ掴めていく、という描き方は不親切ではあります。

それでも、グレースが公妃になるために努力する姿や、
フランスからの圧力で小国が追い詰められていく様子など、
興味深く見ることができました。

冒頭に、事実を基にしたフィクションです。とコメントされるので
事実と違う部分もあるんでしょうけど、
きっと本当のグレース妃も、こうやって悩んだり迷ったりしながら
自分の選んだ道を信じたんだろうなあ。

全く違った世界に飛び込んだんだもの、そりゃあ常に平和であったはずはない。
他人には分からない苦労はあったでしょう。

そういう部分を想像させ、公妃であっても母として、妻として家族を守る姿は
普通の女性と変わらないのだ、と見せています。


身にまとう衣装も一流ですけど、ニコールもトップ女優ですから、本当に美しい。
そういう姿も見せ場です。

ラストのスピーチは、多少まとまりのなさを感じさせて、
メッセージ性は弱かった気はするけど、
変えていこうと言う気持ちが大切と、世界平和を訴えたことは伝わりました。

50年前、一人の女性がそう訴えた。
50年たっても世界平和への道は遠い。
切なくなりますね…。