ブロウ

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1970年代に若くして伝説のドラッグ・ディーラーとなった男・ジョージ・ユングの波瀾の半生を
家族や恋人との愛と葛藤を織り込み描いたドラマ。
主演はジョニー・デップ、共演に「すべての美しい馬」のペネロペ・クルス。
1950年代、マサチューセッツに生まれたジョージ・ユングは幼い頃、
父の会社が倒産、貧乏暮らしを強いられた。
やがて、ヒッピー文化が花開いた60年代、ジョージはマリファナの小売りに手を染め、
すぐさまその商売の才能を開花させるのだった……。 

2001年の公開なので、比較的新しいデップが見られます☆

この作品では、20代から中年人なっていくジョージ・ユングを演じてますから
少しずつ年を取っていく姿に目を見張ります。
もちろん、《カメレオン》と異名をとるデップなので、何を今更!とは思いますが、
それでもやはり驚かされます。
中年太りした姿なんて、普段のデップからは想像もつかない!のです。

そういう見事なデップを堪能しながら・・・。

作品は、決して楽しい内容ではありません。
手っ取り早くお金を稼ぐ方法としてドラッグのディーラーを選んだ後、
欲が欲を呼び、コカイン(ブロウ)のブローカーにのしあがり栄華を誇った揚げ句
すべてを失ってしまう・・・。
そんな実在の人物を描いています。

犯罪者を描いていますから、そういう目で見ていました。
どうせ捕まるんだよ・・・。
そう、捕まってしまうんです。

そこではっとさせられました。
今公開されている【手紙】と共通するものがあるのです。

犯罪を犯した本人は、捕まって当然です。
でも、その家族はどうでしょう?
許せないですよね。犯罪者の家族という汚名を背負わなければいけないのですから。
母親が背を向けてしまうシーン。
父親だけが見送ってくれる。たったひとりの理解者です。

一番愛していた娘が面会に来てくれたと喜んだ瞬間、
それが白日夢だと気づいたシーンには胸が詰まりました。
最後に捕まったとき、それは娘と生きていくためのお金が欲しくて
『これが最後だ』と言っての行為でした。
それでも、彼女も犯罪者の娘として生きているのでしょう。
会いたいと思うでしょうか?

本編以外に、ジョージ・ユング自身のインタビューが入っていますが
彼自身もそれを強く語っています。

前半のユングの生き様は、ただあっけにとられるだけでしたが、
・・・確かにちょっと英雄視している感もありました。
が、後半の堕ちて行く姿は考えさせられてしまいました。

人の幸せは、もっと身近な所にあって、
でもそれに気づくのは失くしてしまってからなのか。
それではいけないんですよね・・・。