リバティーン

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ジョニー・デップが17世紀に実在した英国の放蕩詩人、ロチェスター伯爵に扮したコスチューム劇。
素晴らしい才能を有しながらも、挑発的な言動を繰り返し、
酒とセックス三昧の奔放な人生の果てに、33歳の若さで亡くなった孤独な天才詩人の半生を描く。
1660年代、王政復古のイギリス。
国王の怒りを買い幽閉されていた、第二代ロチェスター伯爵こと詩人のジョン・ウィルモットは
3ヵ月ぶりにロンドンへと戻ってくる。
ある日、ジョンは訪れた芝居小屋で、
観客のブーイングを浴びていた若い女優、エリザベス(リジー)・バリーに目を留める…。 

はじめに断っておく     
諸君は私を好きになるまい
男は嫉妬し 女は拒絶し   
物語が進むに連れて どんどん私を嫌いになる
淑女たちに警告       
私はところ構わず女を抱ける
紳士諸君も嘆くことなかれ  
私はそっちもいけるから気をつけろ
私はジョン・ウィルモット 二代目ロチェスター伯爵
どうか私を好きにならないでくれ

ワイングラスを片手に話し始めるロチェスター伯爵
最初から驚かされます。
どんな人物なんだろう・・・。

『脚本の冒頭の3行を読んで出演を決めた。
 後にも先にも生涯で一度しか巡りあわないタイプの作品さ』
と、デップ本人の言葉もあったので、かなり期待しつつ・・・。

あっという間の終演でした。
2時間満たない中でのこの内容は、多少消化不良の感があります。

ロチェスター伯爵は、国王の寵愛を受ける天才詩人。
彼が3ヶ月ぶりに戻ったロンドンの芝居小屋で出会った舞台女優、リジー
出会ったことで、二人の運命が大きく変わって行きます。

『俺はただ感動したいだけだ』
ロチェスター伯爵はそう言って、リジーに芝居の指導をし、
そしていつしか魅かれていく・・・。
『君への愛から逃げるのをやめた!』
けれど、リジーは冷静に言い放ちます。
『いい加減な愛より、確かな栄光を選ぶわ』
伯爵の愛を拒み、女優としての地位を不動のものにしていく。

この二人の関係が中心かな、と思いきや、
その後、国王からの依頼で芝居を書き、
そこでロチェスターの思想なども取り上げられています。
最後には奥方との関係も、興味深く描かれています。

けれど、どれも中途半端な感じがしてなりません。
ロチェスターの放蕩振りを描きたかったのでしょうか。
人間ロチェスターを描ききれていなかった気がして、
少し残念でした・・・。

17世紀のロンドンの風景や、人々の暮らしなどは興味深く観られました。
決してきらびやかな世界ではありませんが・・・。
音楽も、マイケル・ナイマンらしさで映像を引き立てていました。

もちろんデップの演技は素晴らしかったです。
但し、パイレーツなどのかっこいいデップがお好きな方には、刺激が強いでしょうね。
何しろ嫌みな役ですし、風ぼうがどんどん変わっていくのですから・・・。
覚悟してご覧下さいませ。


《おまけ》
  パイレーツに出演の方がこちらにも出ておりました♪