ジャケット


オスカー俳優エイドリアン・ブロディキーラ・ナイトレイ共演の異色サスペンス。
1992年と2007年の2つの時を往き来しながら自らの死の謎を探る青年と、
そんな彼と恋に落ちる孤独な女性の、悲愴な運命をスリリングに描く。
1992年、湾岸戦争で重傷を負い、その後遺症で記憶障害に悩むジャックは、
ある時殺人事件に巻き込まれ、精神病院に送られる。
ベッカー医師による矯正治療を受けることになった彼は、
拘束衣を着せられ狭い引き出し棚に閉じ込められてしまう。
暗闇の中で意識を失ったジャックが目を覚ますと、
彼は15年後の2007年にタイムスリップしていた…。 

キーラ・ナイトレイが出ていたので観ようと思った作品です。
煙草をふかし酒をのみ、そんな荒んだ女性を演じていたキーラは、
今までのイメージを払拭してました。
なので、最初は『え?これが?』と思ってしまったほどです。

内容は、まず、湾岸戦争のシーンから始まって、
そこで子供に撃たれてしまい、最初の死が訪れます。
これがどこかに繋がるのかと、変に先入観を持っていたせいか、
その後の展開で、タイムスリップするというのが良く分からなくて
何が起きているのか理解できずにいました。

拘束服・・・これをジャケットと言うのですが、
それを着せられて死体置き場の引出しに入れられると、タイムスリップしてしまう。
そして自分の死を知ってしまう。

ジャックは、自分の死を知って何をするか・・・。

愛するジャッキーに幸せになって欲しいと、ただその為だけに
体力の続くかぎり、苦しい拘束服を着ることを選ぶ。
そして、早くに死んでしまうジャッキーの母親に手紙を書きます。

そのことで未来が変わるわけです。

確かに、未来を知ってしまった後に、その未来を変えることをしてはいけない、
というルールもあるようですが・・・。
でも、自分の幸せではなくて、愛する人の幸せを望むのならそれも許されてもいいかなと。

それがなければ、ジャックの人生はあまりに悲しすぎます。

自分のしたことでジャッキーの人生が変わった、
その時のジャックの笑顔が救いです。
最期も笑っていられたかもしれません。

未来を知る術が無い私たちは、今を大切に生きて行かなくちゃいけません・・・。