博士の愛した数式

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第一回本屋大賞に輝いた小川洋子の同名ベストセラーを寺尾聰深津絵里主演で映画化。
監督は「雨あがる」の小泉堯史。
80分しか記憶が続かない初老の天才数学者と、一組の母子の、心温まる交流を優しい眼差しで描く。
家政婦をするシングルマザーの杏子は、80分しか記憶が持たない天才数学博士のもとに派遣される。
そんな博士とのコミュニケーションは、杏子にとって困難の連続。
一方で、博士の語る数式の神秘的な美しさに魅了されていく杏子。
やがて杏子の10歳の息子も博士の家に来るようになると、博士は彼を√(ルート)と呼び、
かわいがるようになる。

これは原作を読んでました。
どんな博士や家政婦さんなんだろうと、映像を楽しみにしていました。
素直に観ていくことが出来たときに、
『キャスティングが良いんだ・・・!』と感じました。

最初に登場し話を進めていくのは、成長し数学教師になった息子のルート。
教壇に立って、自己紹介代わりに博士とのことを、
子供の頃と同じ、優しくて思いやりのある話し方で授業を進めます。

博士はイメージより健康な感じでした。
もっとくたびれて、病人の感じが強くしていたのですが、
野球をする姿も、ルートと接する姿も、とても穏やかです。
他人とコミュニケーションが取れないとは感じさせません。

家政婦の杏子。
この人は、結婚出来ない人との子供を産んだような、そんな芯の強さより、
話し方や接し方に優しさを感じさせます。

そしてある意味このドラマのキーマン、義姉。
この人は、過去の罪を背負いながらそれを隠して、病気の義弟の面倒を見ているのですが、
着物姿が凛とした、とても素敵な人でした。
浅丘ルリ子さんが好演していました。

一番印象に残った人かな・・・。
愛した人、なんですよね。
でもそれを口にしたり行動したりできない・・・。
とても切なかったですね。

とにかく全編愛を感じることが出来ます。
優しさを感じることが出来ます。
親子の会話に、義姉の言葉に・・・。

こんな風に、周囲の人を想って優しく生きていきたいですね。
それがどんな人であっても・・・。