クイーン

離婚後も絶大な人気を誇ったダイアナ元皇太子妃の突然の事故死という事態に直面し、その対応に苦慮する英国王室の内幕に迫る実録政治ドラマ。予期せぬ悲劇に国民が悲嘆する中、適切な対処を怠りマスコミの非難の矢面に立たされ苦悩を深めるエリザベス女王と、新首相として国民からの信頼獲得を必要としていたトニー・ブレアがそれぞれの思惑を胸にこの政治的難局を乗り切るまでを赤裸々に描き出す。エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンは、アカデミー賞をはじめその年の主演女優賞をほぼ総ナメにした。ブレア首相役には「アンダーワールド」のマイケル・シーン。監督は「ハイ・フィデリティ」「ヘンダーソン夫人の贈り物」のスティーヴン・フリアーズ。
　1997年8月31日、チャールズ皇太子との離婚後も世界中の注目を集め続けたダイアナ元皇太子妃が、パパラッチとの激しいカーチェイスの末、自動車事故に遭い他界する。悲しみに暮れる英国国民の関心は、かねてから不仲が取り沙汰されたエリザベス女王へと向けられる。しかし、すでに王室を離れ一民間人となったダイアナ元妃に対し、女王は本来コメントを発表する立場にはなかった。口を閉ざし続ける女王の態度は、国民の目には薄情としか映らず、女王はたちまち窮地に立たされてしまう。首相に就任したばかりの若きトニー・ブレアは、国民と女王の間に立ち、事態の収拾に乗り出す。(allcinema)

とても気になっていた作品です。
主演のヘレン・ミレンが、アカデミー賞主演女優賞を受賞していますので…。

納得、でしたね。

エリザベス女王を、頻繁に拝見するわけではないので、
本当のところは、女王の姿と似ているのかと言うのは定かではありませんが、
そんなことではなく、醸し出す雰囲気と言うのが
まさしく女王なのだと感じるのです。

内容は、衝撃的だったダイアナ元妃の事故死から始まります。

女王として、公人として、
すでに民間人となったダイアナに対する女王の見方、考え方は
否定できるものではないと思います。

それでも、一緒に暮らした人だから
もっと優しく見送ってほしいと思う国民とのギャップ。

ここは辛かったですね。

女王にとっては、守るべきは二人の王子たち。
つまりは自分の孫たちなのです。

自分がどう思おうとも、王子たちにとっては母親なのだから、
という女王の苦悩は、この作品を通して分かった気がします。

当時、ダイアナ元妃の棺を見送った女王に記憶があります。
それが精一杯だったんでしょう。

その時の女王の判断を、冷たいと言ってしまうには忍びない…。
女王と言えども、家族を愛する一人の女性だと言うことでしょうか。

そんなことを感じた作品でした。

それにしても、どこまでが真実かは分かりませんが、
よくこういう作品ができたものだと、
感心せざるを得ませんでした。

だって、まだ１０年しか経っていない事実だし、
何より、関係者がまだ生きていらっしゃるのだし…。

そういう意味でも、勇気ある素晴らしい作品だと思います。

ヘレン・ミレンの凛とした女王姿を観たい方、
英国王室に興味のある方、いかがでしょう。