同級生

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修文館高校3年の宮前由希子が交通事故死した。彼女は同級生・西原荘一の子を身ごもっていた。それを知った荘一は自分が父親だと周囲に告白し、疑問が残る事故の真相を探る。事故当時、現場にいた女教師が浮上するが、彼女は教室で絞殺されてしまう。著者のターニングポイントとなった傑作青春ミステリー。(BOOK倶楽部)



東野圭吾氏の作品です。

棚の奥に積まれていて、以前読んだ作品でしたけど、
結末の記憶がなくて、再読致しました。

高校を舞台に、同級生や教師の殺人事件を、
高校生・西原荘一と仲間たちが解決していく、という内容です。

序章で書かれている、荘一の妹の話。
そして事故死した宮前由希子と荘一の不思議な関係。
もうひとつ引っ掛かってくる同級生の水村緋絽子の存在。

最初からその三つに何かあると、におわせる展開です。

けれど、そこは最後まで分らないようになっているのですが…。


教育に人生を掛けて、女性らしさや恋愛や、
そういうすべてを捨てた女教師に対して、
そんな人に習うことに嫌悪する高校生の台詞が痛かったです。


子供たちの柔らかな心に触れ、成長させる立場として
やはり偏った見方をするようではいけないと、改めて感じました。
本筋とは関係ないところで、妙に納得したシーンでした。


で、本筋はと言うと…。

フットワークの軽さで、事件を解決していこうとする荘一ですが、
どんなに背伸びしても、高校生は高校生なんだと、
最後はきっちりと思わせる結末が好きでした。

高校生の話だけど、筋立てはさすが東野圭吾氏です。
ミステリーとして充分に楽しめつつ、
青春ドラマとしても楽しめます。