東京奇譚集

村上春樹／著 

どうしてこんなことが起こるのだろう。都市の隙間のあやしく底知れぬ世界へと導く5つの物語。

肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。

村上春樹作品は、一時期ハマってました。
【ノルウェーの森】
【羊をめぐる冒険】
村上ワールドの、不思議な世界に魅力を感じたことがありました。

今回の作品は短編集なのですが、
どれもこれも、村上ワールドを感じさせてくれます。

タイトルも面白い。

『どこであれそれが見つかりそうな場所で』　
行方不明になった人を探す男の、奇妙な話。

彼はいったい、行方不明者を探すといいながら、
実は何を探していたのか。

『日々移動する腎臓のかたちをした石』
父親から　男が一生に出会う中で、本当に意味のある女は三人しかいない。
その言葉を考えながら女と接していく男の話。

『品川猿』
名前を忘れた原因が、猿だったという、奇妙な話。

現実離れした、でも現実にありそうな話を楽しめます。