赤い航路
男と女の極限下のエロティシズムを描いた文芸大作を、ロマン・ポランスキーが映画化。ナイジェルとフィオナは、夫婦の愛を確認する為にイスタンブール行きの豪華なクルーザーによる旅に出掛ける。そこでナイジェルは車椅子のオスカーと知り合う。パリに住む作家オスカーはナイジェルに、自分の妻であるミミとの関係を聞かれるともなく語り出す。彼女は、背徳の香りがする二人の性生活に嫌悪感を抱きながらも好奇心にかられ、毎夜彼の部屋でオスカーとミミの過激なセックスライフの秘密を聞かされて行くのだが……。ポランスキー監督は、飽くことのない激しい欲望に身を委ねる恋人たちの官能的な姿や、激情の末の残酷な結末を赤裸々に描きだす事で、愛というものは性的な欲望の虜へと堕落しうるものであり、さらに精神的、肉体的な残酷性へと変貌するものだという事を、一種恐怖症的な緊迫感を持って見事に映像化させている。(allcinema)
1992年作品
一組のカップルの恋愛を描いています。
愛情が倦怠に変わって、そして憎しみ合う…。
狂気とかいいようのない後半。
狂気とかいいようのない後半。
飛行機で一人置き去りにされても、戻って来るミミ。
愛されなくてもいいから、そばに置いてほしい。
そう言いながら、自分を見ないオスカーを憎むようになって、
事故に合った彼を、今度は置き去りにして遊び歩く。
愛されなくてもいいから、そばに置いてほしい。
そう言いながら、自分を見ないオスカーを憎むようになって、
事故に合った彼を、今度は置き去りにして遊び歩く。
切り捨てられない心理。
未練だと思うけれど、なんとなくわかる気がしました。
未練だと思うけれど、なんとなくわかる気がしました。
…そこまで必死にはなりませんけど。
ヒュー・グランドは、オスカーの話を聞かされる男の役ですが、
いつものコメディタッチな彼ではなく、笑顔もないので、
多少違和感はありますが、役としては重要だと思います。
いつものコメディタッチな彼ではなく、笑顔もないので、
多少違和感はありますが、役としては重要だと思います。
このナイジェルの存在がなければ、話は主観的になりすぎて、
見ていられなかったかもしれません。
見ていられなかったかもしれません。
人の恋愛、何が楽しくて聞かされるのか…。
でも、自分と比べることなどそうないので、気になって聞いてしまう…。
でも、自分と比べることなどそうないので、気になって聞いてしまう…。
ナイジェルの役は、観ているこちらの気持ちを代弁しているようです。
必死になりすぎると、こういう結末しかないのかと、
やりきれないラストシーン。
やりきれないラストシーン。
人を愛するということの喜びと、狂気を観たい方、いかがでしょう。