題名のない子守唄

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ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、謎に満ちた一人の女性を主人公に、その秘められた目的と強い意志が突き動かす彼女の行動の顛末を、徐々に明らかとなっていく哀しみの過去とともにミステリアスかつサスペンスフルに描くミステリー・ドラマ。主演はロシア出身のクセニア・ラパポルト
 北イタリアのトリエステ。この街にやって来た一人の女性、イレーナ。ウクライナ出身という彼女の過去も、ここへやって来た理由も、誰一人知らない。やがて、彼女はある家族に近づいていく。それは、貴金属商を営むアダケル家。そして偶然を装い、アダケル家のメイドになることに成功、夫婦の一人娘テアの子守役も兼ね、次第に家族の信頼を獲得していくが…。(allcinema)

女は
哀しみを食べて
生きている


原題:LA SCONOSCIUTA  THE UNKNOWN WOMAN

2006年 イタリア製作作品


以前、事務所のサックス講師が良かったと言っていたのが気になって、
観たいと思った作品でした。


題名と、前述のサックス講師のお勧めの理由が音楽がモリコーネだということで、
もっと穏やかな内容だと勝手に思い込んでいたのでした。

…かなり過激でした、いろんな意味で…。


主人公のイリーナの目的が何なのか、そして素性もよく分からないままに進んでいきます。

フラッシュバックで見られるイリーナの過去。
多くは見せないので、想像するしかなかったりします。



そしてあらゆる危険を冒してまでメイドとして入り込んだアダケル家。
そこに何があるのか…。

サスペンス的な要素も含みながら、単純なサスペンスに留まらないのは、
この作品に、欧州国家間の格差や犯罪組織の存在などがあるからでしょう。

そしてもうひとつ重要な要素は、母親の愛情。

これは観ていて苦しくなるくらいの愛情が描かれています。


全編を通して、説明的な作品ではないので、
気を許すと理解できないままに進んでいく可能性があります。

感覚で捉える作品でしょう。


重い作品です。
でも救われるラストシーンが待っています。