容疑者Xの献身(2008)

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東野圭吾の『ガリレオ』シリーズ初の長編にして直木賞受賞の傑作感動ミステリー『容疑者Xの献身』を、大ヒットTVシリーズ「ガリレオ」のスタッフ・キャストで映画化。冴えない人生を送る天才数学者が無償の愛に衝き動かされて仕組んだ究極のトリックに、天才物理学者・湯川学が挑むスリリングな頭脳戦を、ドラマ版のテイストを残しつつも原作の持つ人間ドラマに重きを置いた丁寧な筆致で描いてゆく。出演は福山雅治柴咲コウらオリジナルキャストに加え、事件の容疑者・花岡靖子役で松雪泰子、天才数学者・石神哲哉役で堤真一が登場。
 ある日、貝塚北警察署管轄内で男性の死体が発見される。顔は潰され、指も焼かれて指紋が消されていたものの、ほどなく身元は判明した。捜査には本庁も出動し、貝塚北署の刑事・内海は先輩の草薙と共に、被害者の別れた妻・花岡靖子へ聞き込みに向かう。しかし、容疑者と目された彼女には完璧なアリバイがあった。いきなり壁にぶつかった2人は、さっそく“ガリレオ”こと湯川学に相談を持ちかける。そこで偶然にも、靖子のアパートの隣に住む冴えない男・石神哲哉が、湯川の学生時代の無二の親友だったことが判明する。現在は高校のしがない数学教師をしている石神だったが、彼は湯川が“僕の知る限り、本物の天才”と評するほどの頭脳の持ち主だった。やがて、湯川は石神がこの事件に深く関わっているのではと疑念を抱き始めるが…。(allcinema)


その謎を、愛そう。

ガリレオが苦悩する、その謎とは?



とても楽しみにしていた作品です。
TVシリーズもその原作も、そして作者の東野圭吾氏も、もちろん福山雅治も好き。
そんな大好きなシリーズが映画化されたのですから、この日が待ち遠しかったです。


土曜日のレイトショー。
家族ずれも多くて、客席は結構賑やかでした。


引きつけられた130分でした。

ガリレオ先生の大学時代の同期で数学者の石神とその隣人花岡親子。
花岡親子が起こしてしまった殺人を、石神が自分の能力を生かして助ける…。
この石神の書いたシナリオが素晴らしい。

浮浪者のシーンがあったので、これがきっと入れ替わりだと分かったものの、
それから先がさっぱり分からない。
内海・草薙両刑事と同様、ドラマの中にしっかり入り込んで頭を悩ませていました。


石神がなぜそこまで花岡親子を助けようとするのか。

花岡靖子が、石神の行動を不審に思い恐怖を感じたとき。

それぞれの思いが、平行線のように思えたときの苦しさ。


ガリレオ先生が花岡靖子に真実を語り始めたとき、
そうか!ともやもやしたものが晴れていきました。

がしかし、これで終わり?
だとしたら石神はどうなるのだろう。
事実を知っても、花岡親子が何も感じないのだろうか。


石神の叫びは慟哭でした。

事件は解決しても、人の心に解決はあったのでしょうか。


ガリレオ先生の涙や、落ち葉が舞うシーンがやるせなさを募らせました。



ストーリーはもちろん、石神を演じた堤真一が素晴らしかったです。
観終わった瞬間に、この人が主役だと感じました。
この人の話なのだと。

うだつの上がらない高校教師を、存在感ある演技で作り上げています。
さすが!と拍手です。