再会の街で

イメージ 19.11テロで妻子を失い心に深い傷を負って殻に閉じこもってしまった男と、彼の大学時代のルームメイトで仕事も家庭も恵まれた生活を送りながら満たされないものを感じていた男、そんな2人がニューヨークの街で偶然に再会し、再び友情を育んでいく中で、少しずつ互いの心を癒やしていく姿を切なく描いた感動ドラマ。主演は「50回目のファースト・キス」のアダム・サンドラーと「ホテル・ルワンダ」のドン・チードル、共演にジェイダ・ピンケット=スミスとリヴ・タイラー。監督は「ママが泣いた日」のマイク・バインダー。
 ニューヨークのマンハッタン。歯科医のアランは、ある日、大学時代のルームメイト、チャーリーを街で見かけ声を掛けるが、彼は気づかずにそのまま去ってしまう。その後、アランは再びチャーリーと遭遇、言葉を交わすが、驚いたことに彼はアランを覚えていなかった。彼は9.11テロで最愛の妻と娘を亡くして以来、すっかり心を閉ざしてしまっていたのだった。そんなチャーリーのことが気がかりでならないアラン。彼自身は歯科医として成功し、美しい妻とかわいい娘2人にも恵まれ、幸せな人生を送っているかに見えたが、実際には公私両面で問題を抱え、苦悩を深めていたのだった。そんな2人は次第に一緒に過ごす時間が多くなり、ニューヨークの街をさまよい昔のように遊び回るようになるのだったが…。(allcinema)


話すことで、癒やされていく傷がある。


原題:REIGN OVER ME


2007年製作作品



9.11テロを思う時、当時つき合っていた人のことが思い出されます。
一緒にTVニュースを見たもんですから…。

心の傷は、人によって違いますよね。
前述の人のことは、ちょっと痛みを伴う思い出ですが受け入れられるようになりました。

…失恋ごときと一緒にするなと叱られそうですが、
本人の痛みは同じですから…。

最愛の人との別れでも、痛みはそれぞれに違う。
チャーリーと奥さんの両親も、どんな風に痛むのか違ったのです。

そしてラスト近く…。
チャーリーが亡くなった奥さんの両親に告げた言葉。
「あなたたちは悲しみを分け合える。お互いがいる。
自分には写真は必要ない、街を歩けばいたるところで家族を見ることができる」
この言葉は、私には痛かったけれど奥さんの両親には救いの言葉となったのです。

チャーリーは痛みを感じながらも、どこかで痛みを受け止める努力はしていたのだと感じました。
周囲の心配をよそに…。


スクーターとともに流れるNYの街並や音楽が、
9.11テロも痛みを抱えた人達も忘れたような、穏やかな日常を描きます。

チャーリーを救おうと奔走するアランは、
実はチャーリーと関わりながら、自分を見つめなおしていたのです。

大切な人にそう伝えることを思い出したラストでした。



心に傷を負った人たちの、医学的な部分がどう扱われているか。
その辺りに偽善的な要素や甘さを感じたり…。

思い出したくないことを思い出させなくてもいいじゃないかとか…。

そう感じる観客もいるかもしれせんが、
人の優しさを感じるには充分な作品だと思います。