ぜんぶ、フィデルのせい

イメージ 1政治・社会情勢の激動が続いた70年代初頭のフランス・パリを舞台に、時代の波に揺れ動く一家族の姿を9歳の少女の困惑と心の成長を通して描いた感動ドラマ。監督は「戒厳令」「ミッシング」などで知られる社会派監督コスタ=ガヴラスの実娘、ジュリー・ガヴラス。本作が初の長編劇映画となる。
 1970年のパリ。9歳の少女アンナは、名門カトリック女子小学校に通う成績優秀なお嬢様。スペインの貴族階級出身で弁護士の父フェルナンドと雑誌記者の母マリーの下、弟のフランソワと共に何不自由ない幸せな毎日を送っていた。そんなある日、長年スペインでフランコ独裁政権を相手に反政府運動を行っていた伯父が亡くなり、残された叔母と従姉妹がアンナの家で暮らすことに。これを境に、フランソワとマリーは次第に共産主義的な価値観に目覚めていく。アンナは、どうやらフィデル・カストロという人が原因らしいと知るが、おかげで彼女の日常は一変、両親からお気に入りの宗教学の授業を禁じられたり、小さなアパルトマンへの引っ越しを強いられたりと不自由な生活を余儀なくされてしまい…。(allcinema)



やっぱり大人は判ってくれない


原題:LA FAUTE A FIDEL!


2006年 イタリア/フランス製作作品




とっても面白い!というわけではないのですが…。
500人のオーディションから選ばれたという、ニネ・ケルヴェルがとにかく良いのです。
主役のアンナ・9歳を演じていますが、
生意気で、終始ふくれっ面をして、物語を彼女の目線で描いていきます。

その表情も言動も行動も、ふくれっ面でもわがまま言っても愛らしいのです。
キョーサン主義、団結、革命等を、一所懸命理解しようとしている姿は微笑ましい限りでした。


軍政批判や女性運動など、様々な市民運動が活発化し混沌としたフランスの70年代。
そこで暮らすブルジョアなアンナ一家に、キョーサン主義の嵐が吹き込んでくるのです。


そんなアンナは両親に抵抗します。
庭付きの家も、宗教学も親の意思でなくなってしまうアンナには、キョーサン主義は憎っくき敵。
必死の抵抗をするも、自分のことばかり考えてる!と父親に言われてしまう始末。
そんな両親は、まだ9歳の子供と一緒にデモに参加したりもするわけです。

お国柄もあるのでしょうけど、子供にそこまでするかな~と、ちょっと首を傾げるシーンもありました。


締め出されたかと思うと、しっかり手を繋いだり、親子の関係は摩訶不思議。

我が儘も自己中心も、子供だからなのだと思うのですが、
アンナは9歳にして世の中を知り、成長していくのです。

すべてを受け入れ、ミッション系の学校から転校を決めたアンナ。
「また新しい友達ができるわ」

戸惑いながらも、子供たちの輪に加わったアンナに、大いなる希望を見たのでした。


大人は分かってくれない…。
だって大人は大人になりきれてないんだから…。