モーターサイクル・ダイアリーズ

イメージ 1のちに革命家としてその名を世界に轟かせることになるチェ・ゲバラが学生時代に行なった南米大陸縦断の旅を、彼が残した日記を基に映画化した青春ロード・ムービー。情熱的で正義心に溢れた青年が、親友と共に大自然を疾走し、様々な人々との出会いを通して人間的な成長を遂げる姿を活き活きと詩情豊かに綴る。主演は「天国の口、終りの楽園。」のガエル・ガルシア・ベルナル。監督は「セントラル・ステーション」のウォルター・サレス。なお本作でゲバラと旅を共にする友人アルベルト役を演じるロドリゴ・デ・ラ・セルナは、チェ・ゲバラとは“はとこ”の関係。
 1952年、アルゼンチンのブエノスアイレス。喘息持ちながら理想に燃え好奇心溢れる23歳の医学生エルネストは7歳年上の陽気な友人アルベルトと南米大陸探検の旅に出た。アルゼンチンからパタゴニアへ、そしてアンデス山脈を越えてチリの海岸線に沿って進み、最終的に南米大陸の北端ベネズエラのカラカスを目指す。アルベルト所有のおんぼろバイク“ポデローサ号”を移動手段に、わずかな所持金と貧弱な装備だけの彼らにとって、それはあまりにも無鉄砲な計画。当然のように彼らの行く手には様々な困難が待ち受けていたが…。(allcimnema)


遠い空の下、僕は世界がめざめる音を聞いた
原題:THE MOTORCYCLE DIARIES  DIARIOS DE MOTOCICLETA



2003年 イギリス/アメリカ製作作品

監督: ウォルター・サレス
製作: マイケル・ノジック エドガード・テネンバウム カレン・テンコフ
製作総指揮: ロバート・レッドフォード ポール・ウェブスター レベッカ・イェルダム
原作: エルネスト・チェ・ゲバラ 『モーターサイクル南米旅行日記』(現代企画室刊)
アルベルト・グラナード
脚本: ホセ・リベーラ
撮影: エリック・ゴーティエ
美術: カルロス・コンティ
音楽: グスターボ・サンタオラヤ
出演: ガエル・ガルシア・ベルナル エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ
ロドリゴ・デ・ラ・セルナ アルベルト・グラナード
ミア・マエストロ チチーナ
メルセデス・モラーン セリア・デ・ラ・セルナ(エルネストの母)
ジャン・ピエール・ノエル エルネスト・ゲバラ・リンチ(エルネストの父)



昨年“チェ・ゲバラ”の映画が公開されたとき、彼の若い頃のこの作品のことを知りました。
彼に関して何の知識もなかったので、観てみることにしました。


大学生だったゲバラが、大学を休学して友人と旅に出る話でしたが、
もしかしてここが、彼の後の思想を左右したのかもしれません。


オートバイでの移動が、途中で徒歩に変わります。
それまでの単純だった旅が、様相を変えていきます。
見えるものが変わり、見方が変わり、そして彼の感性が研ぎ澄まされて行ったように思えました。

ゲバラを演じたガエル・ガルシア・ベルナルの表情がどんどん変わっていく様は、
青年の潔癖さとか理想の高さとかを感じさせてくれました。

医学生だったこの頃のゲバラは、英雄でも革命家でもない。
その彼に何が起きたのか。
その断片を知る作品です。


ロードムービーとして、南米の美しい風景も観ることができます。


最後に、一緒に旅したグラナードのその後も出てきます。
ふたりの関係も興味深く、また、革命に目覚めなければ、
ゲバラはきっと良い医者になっていたのでは、と思ったのでした。