落下の王国

イメージ 1 「ザ・セル」の鬼才・ターセム監督が、世界24ヵ国以上でロケを敢行して撮り上げた絢爛豪華な愛と感動の映像叙事詩。事故で下半身不随となり、自暴自棄になったスタントマンと骨折で入院中の一人の少女の心の交流を軸に、スタントマンが少女に思いつくままに語るおとぎ話をエキゾティックかつイマジネーション溢れる映像美で描き出す。主演は「グッド・シェパード」のリー・ペイスとこれがデビューのカティンカ・ウンタルー。
 1915年、ハリウッド。撮影中の事故で重傷を負い病院のベッドに横たわるスタントマン、ロイ。身体が動かず自暴自棄となり、自殺願望にとらわれていた。同じ病院に入院中のアレクサンドリアは、家族を手伝ってオレンジを収穫中に樹から落下して腕を骨折した5歳の少女。じっとしていられず敷地内を歩き回っていて、ロイの病室へと辿り着く。ロイはアレクサンドリアを呼び寄せると思いつきの冒険譚を語って聞かせる。ロイの語るめくるめく物語にすっかり引き込まれていくアレクサンドリアだったが…。(allcinema)


君にささげる、世界にたったひとつの作り話。

2006年 インド/イギリス/アメリカ製作作品
原題:THE FALL


【クレジット】
監督: ターセム
脚本: ダン・ギルロイ ニコ・ソウルタナキス ターセム
衣装デザイン: 石岡瑛子
音楽: クリシュナ・レヴィ
出演: リー・ペイス…ロイ・ウォーカー/黒山賊
    カティンカ・ウンタルー…アレクサンドリア
    ジャスティン・ワデル…看護師エヴリン/エヴリン姫
    ダニエル・カルタジローン…シンクレア/総督オウディアス




映画館で色鮮やかなチラシに目が止まった作品でした。

ロケーションも素晴らしく、色彩豊かな映像が展開していきます。
その色彩豊かな映像は、足を怪我したスタントマンが腕を骨折した少女に聞かせる
ふたりだけのおとぎ話でした。


そのロイが作ったおとぎ話は、現実の自分の姿が反映されて、
物語がどんどん暗く、悲しい方向へ進んでいきます。
「これはおれの物語だ」と、ハッピーエンドにはならないというロイに、
「ふたりの物語よ」とアレキサンドリアが言うシーンでは、
アレキサンドリアの純粋さと力強さが感じられて、見入ってしまいました。


アレキサンドリアを演じたカティンカ・ウンタルーは今作がデビューですが、
監督が、彼女に瑞々しい感性が失われぬうちにただちに撮影に入ることを希望したというように、
とても演技しているとは思えない自然さに、ただただ感動します。


ロイが語るおとぎ話に夢中になって、
現実のふたりのことが多少後回しになってしまいました。
実はロイには自殺願望があったとか、
物語を聞かせるのはアレキサンドリアを思うように操りたかったとか…。

現実のふたりがベースになっている物語ですが、
それだけを追いかけて観てしまいました。

そしてラスト…。
私はてっきりロイが回復して仕事に戻ったと思ったのですが、
実はそこは明らかにされていないのだと、HPで知りました。

本当はもっと深ーいお話なのかもしれません(^^ゞ


でも、アレキサンドリアの必死な想いは、ロイに届いたと信じたい気持でいっぱいです。