マンデラの名もなき看守

イメージ 1
悪名高いアパルトヘイトが行われていた時代の南アフリカを舞台に、のちに南ア初の黒人大統領となるネルソン・マンデラが27年にわたる獄中生活で出会った白人看守との感動の実話を描いた社会派ヒューマン・ドラマ。出演は、看守役に「恋におちたシェイクスピア」のジョセフ・ファインズマンデラ役にTV「24 TWENTY FOUR」のデニス・ヘイスバート、看守の妻役に「ナショナル・トレジャー」のダイアン・クルーガー。監督は「ペレ」「愛と精霊の家」のビレ・アウグスト
 1968年、アパルトヘイト政策下の南アフリカ共和国。黒人差別を当然のように受け入れていた白人男性のジェームズ・グレゴリーは、反政府運動の首謀者、ネルソン・マンデラの看守に抜擢される。マンデラと故郷が近く彼らの言葉であるコーサ語がわかるグレゴリーには、秘密の会話や手紙の内容をチェックすることが求められた。しかし、マンデラに長く接していく中でグレゴリーのマンデラに対する見方は変わり始め、次第に彼の気高い思想に傾倒していくが…。(allcinema)


27年間囚われた、のちの南アフリカ初の黒人大統領。
今、秘められた感動の実話が明かされる。

あなたに逢って、知った。世界は間違いだらけだと──

2007年 フランス/ドイツ/ベルギー/南アフリカ製作作品
原題:GOODBYE BAFANA


監督: ビレ・アウグスト
原作: ジェームズ・グレゴリー ボブ・グレアム
脚本: グレッグ・ラター
音楽: ダリオ・マリアネッリ
出演: ジョセフ・ファインズ ジェームズ・グレゴリー
     デニス・ヘイスバート ネルソン・マンデラ
    ダイアン・クルーガー グロリア・グレゴリー
    パトリック・リスター ジョルダン少佐



ネルソン・マンデラのことを描いているのかと思っていたら、
邦題の通り、看守の事実を基にした物語でした。



マンデラが投獄されている理由や、アパルトヘイトのことなどは
それほど強調されてはいません。


黒人差別は、黒人がテロリストだという間違った認識から始まっていて、
看守のジェームズの妻のグロリアも、当時では普通の白人女性だったのです。
グロリアとは違って、ジェームズには子供の頃に黒人と遊んだことがあって
どこかで黒人を受け入れようとする気持ちもあり、
マンデラに興味を持ち、少しずつ感化されて行きます。


ジェームズ夫妻の人生を、南アフリカ社会やマンデラと共に綴っています。

ジェームズの変化が社会に大きな影響を与える、
といった物語ではありません。
淡々と、ジェームズ一家を描き続けているだけの作品です。


それでも、マンデラと言う人の影響力の大きさは感じます。

だからその後大統領にまでなったのです。

そのマンデラに惹かれつつも、
家族を守るためには身を引くことも考えたジェームズは、
そう言う時代だったんだと、感じさせてくれました。



反社会的な物語ではなく、
ひとりの男の人生として、充分に感じることができます。


家族を大事に思ったのは、ジェームズもマンデラも同じ。
人種など関係ないのです。