シプリアン・カツァリス ピアノリサイタル

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シプリアン・カツァリス ピアノリサイタル
最高のテクニック! 最高のピアニスト!

いま円熟の境地にあるフランスのピアニスト“カツァリス”が福岡シンフォニーホールで初めてのリサイタルを開催します。
ベートヴェンのピアノ・ソナタ「悲愴」「月光」、それにシューベルト交響曲「未完成」をピアノ1 台で演奏するなど、個性あふれるプログラムになっています。
テクニックも音楽も最高、“カツァリス”の魔法の指が奏でる幻想の世界をお楽しみ下さい。

<曲目>
ヒュッテンブレンナー:悲しみの響きによるシューベルトへの追悼
ヒュッテンブレンナー:6つの変奏曲 作品2
ヒュッテンブレンナー: 魔王のワルツ
ヒュッテンブレンナー: 和声によるベートーヴェンへの追悼
シューベルト:ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲
シューベルト交響曲 第8番 「未完成」 変ロ短調
ベートーヴェン交響曲 第7番 作品92より 第2楽章 アレグレット
ベートーヴェンピアノソナタ 第8番 作品13 「悲愴」



生徒からチケットをいただきました。
彼女の親戚に主催の関係者がいるので、
ランランコンサートのときも半額で手に入れました。

生徒も私も、カツァリスのリサイタルは初めてで、
生徒にいたっては、名前も良く知らない、という状態でした。

曲目はご覧のとおりなじみが薄く、
生徒は、ベートーヴェンソナタでほっとしたくらい…。

ヒュッテンブレンナー(1794~1868)は、あまりおなじみでない作曲家かもしれませんが、ベートーヴェンシューベルトの両方の友人であり、二人の死を見守り、二人のために追悼曲を作っています。

プログラムにあるカツァリスのコメントです。
…というくらいのヒュッテンブレンナーなので、初めて聞く曲ばかりでした。

そしてアンコール。
「月光」の1楽章
ショパンノクターン遺作
アメリカのバンジョーの曲
チャイコフスキーの10月
バッハのアリア

呆気にとられるアンコールで、
鳴りやまない拍手に、最後はご本人がピアノの蓋を閉めて終了でした。


『最高のテクニック』と謳っていますが、まさにその通り!

オケの曲をピアノ1台で弾くことは、
どこかで無理があるのでは、と思っていましたが、
カツァリスのテクニックで補いないものなどないのだ!と見せつけます。
アンコールのバンジョーの曲なんて、息をのむほどの演奏なのです。

同じ音を何度も演奏するということは、
演奏者のテクニックももちろんですけど、ピアノの性能も問われますね。
それに耐えうる楽器だと感動していると、
生徒がなるほど~と一緒に感動してくれました。


そしてその反面、なんと柔らかい音を出すのか…!

アンコールのショパンチャイコフスキーは、ピアノ曲ですから、
ピアノの音を活かされるように作られています。
柔らかい音色と、嫌味のない完成されたメロディライン。


オケの曲や知らない曲ばかりで、欲求不満気味だったのですが、
アンコールでそれも解消されました。

あ~、やっぱりピアノの音ってこれだ♪

そう言いながら、今日はチャイコフスキーを練習してみようかな
なんて思っています。
こんなにロマンチックな「10月」を聴けて嬉しかったです。


アンコールでは
「You like Tchaikovsky?」
なんて問いかけもあったり、人柄を伺わせてくれました。


途中少々くたびれ気味だった生徒も、
終わってからは、カツァリスのテクニックに驚き、
演奏の素晴らしさに興奮していました。


良い演奏を聴いた後は、自分も頑張ろうっと思っちゃいます。
…もちろん名ピアニストの足元にも及びませんけどね(^^ゞ


アンコールのノクターンの時、
中間部が終わったときに拍手をした人がいてビックリ!
カツァリスは右手人差し指を口へ。

それももちろんですが、
消えて行く最後の音を、追い続けて鍵盤に向かっているのに、
1番!とばかりに拍手をするのはどうでしょうか。
感動すれば拍手をしたくなる気持ちも分かりますけど、
もっと冷静に、演奏者の想いを受け止めたいものです。