クララ・シューマン物語/哀愁のトロイメライ

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トロイメライ”、“謝肉祭”などの名曲で知られるロベルト・シューマンと、その妻として、又自らもピアニストとして有名なクララの愛を描く音楽映画。シューマンの父の反対の中、愛をつらぬき通すキンスキーがけなげな、彼女の隠れた代表作の一つ。(allcinema)
 
 
 
 
1981年 西ドイツ/東ドイツ
原題:FRUHLINGSSINFONIE
    SPRING SYMPHONY
 
 
 
 
 
 
監督: ペーター・シャモニ 
脚本: ペーター・シャモニ  ハンス・A・ノインツィッヒ 
撮影: ゲラルト・ヴァンデンベルグ 
出演: ナスターシャ・キンスキー 
        ヘルベルト・グリューネマイヤー  
 
クララ シューマン 愛の協奏曲】を観た時に知った、
もうひとつの“クララ シューマン”の物語。
 
あちらは、すでにクララはロベルトと家庭を持っていて、
若きブラームスの登場で揺れる三人の関係を描いていますけど
こちらは、ロベルトがクララと出会って、惹かれあっていく過程を描いています。
 
成人したクララを演じたナスターシャ・キンスキーの演技力もあってか、
かなりドキリとするロマンスとしても観ることができます。
 
まだ幼いクララは、すでに神童としてその才能を発揮していて、
そこに、クララの父親であるヴィークに師事するためにロベルトが現れます。
そのあたりの経緯は、知識として知っていることと同じなんですが…。
 
クララの演奏活動はすさまじいもので、
一日10時間以上の練習で、
読み書きができないとか、
あひると白鳥の区別がつかないとか、
そういう学問を受けていなかったのか、
そのあたりは事実かどうかは分かりません。
 
でも、あり得そうだな~とは思いますけどね。
 
そしてもうひとつ。
演奏活動にでかけるクララと父親の関係も、
親子の愛情の深さを表しています。
すでに胸も膨らみ始めたクララの体を洗ったり、
ひとつのベッドで抱き合って眠ったり、
常に互いに寄り添う姿に、
もしかしたら父親以上の愛情を持っていたから、
ロベルトとの結婚を許さなかったのか…。
 
まあ、このあたりも描き方次第なんでしょうけどね~。
ちょっと意味深な描き方だと思います。
 
それでも、父親の心配は当たっていたことは歴史が示しているわけで、
胸が痛まないわけではありません。
 
必死に愛し合うクララとロベルト。
父親の反対にあい、結婚の為に裁判まで起こしたふたり。
そういうドラマとともに、
全編を通して、シューマンの音楽を堪能できます。
 
ロベルトを演じたヘルベルト・グリューネマイヤー は、
元々ピアノを弾いたらしいんですけど、
今作の為に特訓して、自ら演奏しているようです。
 
それ以外にも
ケンプ、ポゴレリッチ、サヴァリッシュなどが演奏していて、
音楽映画として充分に楽しむことができます。