マイレージ、マイライフ

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「JUNO/ジュノ」「サンキュー・スモーキング」のジェイソン・ライトマン監督がウォルター・カーンの同名小説を基に、現代人を取り巻く様々な問題をスマートに描き出すハートフル・ヒューマン・ストーリー。リストラ宣告人として全米を飛び回り、煩わしい人間関係を回避して身軽で気ままな人生を送ってきた主人公が、2人の女性との出会いをきっかけに、それまでの生き方や人とのつながりについて見つめ直していく姿を、シニカルな中にも優しい眼差しを込めて綴る。主演は「フィクサー」のジョージ・クルーニー、共演に「ディパーテッド」のヴェラ・ファミーガ、「トワイライト~初恋~」のアナ・ケンドリック
 企業のリストラ対象者に解雇を通告する“リストラ宣告人”の仕事で年間322日間も出張しているライアン・ビンガム。自らの講演でも謳っている“バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない”をモットーに人間関係も仕事もあっさりと淡泊にこなし、結婚願望も持たず家族とも距離を置いたまま、ただマイレージを1000万マイル貯めることが目下の人生目標となっていた。だがそんな彼も、2人の女性と出会ったことで人生の転機が訪れる。ひとりは、ライアンと同様に出張で飛び回っているキャリアウーマンのアレックス。同じ価値観を持つ彼女とはすぐに意気投合し、互いに割り切った関係を楽しむことに。もうひとりは、将来を有望視され入社してきた典型的現代っ子の新人ナタリー。彼女は、ネット上で解雇通告を行い出張を廃止する、というライアンの立場を脅かす合理化案を提案、さらには彼女の教育係に当てられてしまう。しかしライアンは、そんな彼女たちと接していくうち、これまでないがしろにしていた人との“つながり”の大切さに気付かされていく…。(allcinema)
 
2009年 アメリ
原題:UP IN THE AIR
 
あなたの“人生のスーツケース”
詰め込みすぎていませんか?

監督: ジェイソン・ライトマン 
原作: ウォルター・カーン 
脚本: ジェイソン・ライトマン シェルドン・ターナー 
音楽: ロルフ・ケント 
音楽監修: ランドール・ポスター リック・クラーク 
出演: ジョージ・クルーニー ライアン・ビンガム
    ヴェラ・ファーミガ アレックス・ゴーラン
    アナ・ケンドリック ナタリー・キーナー
    ジェイソン・ベイトマン クレイグ・グレゴリー
    ダニー・マクブライド ジム・ミラー
    メラニー・リンスキー ジュリー・ビンガム
    エイミー・モートン カーラ・ビンガム
    サム・エリオット フィンチ機長
    J・K・シモンズ ボブ ザック・ガリフィナーキス クリス・ローウェル
     スティーヴ・イースティン アディール・カリアン  
 
これといってはっきりとしたものが残っているわけではないけど、
なんだか面白い作品でした。
 
リストラを言い渡す“リストラ宣告人”。
仕事第一で、家を持つのは会社がホテル住まいを認めないからで、
もちろん家族もいない。
飛行機でアメリカ中を飛び回り、
ゴールドカードでマイルを貯めるのが生きがい。
そんなライアンが主人公です。
 
そのビジネスマンとしての生き様を描いているのかと思えば、
もっと柔らかいお話しでした。
 
バッグパックに入る物だけが全て。
どれだけ身軽な人生か。
ビジネスマン相手にもそう講演するライアンに、
一瞬、羨ましかったりしました。
 
背負ったものが憂鬱になることってありますよね。
普段は話相手の猫も、
エサの心配しなければいつでも留守にできるのに…。
家賃のいらない我が家も、
あちこち痛みだすと修理に頭が痛い…。
責任ある立場が面倒くさくなるけど、
それで得る報酬もないと困るし…。
 
バッグパック一つで、縛られるモノもなく気ままなホテル住まい。
 
それでも、どんなに面倒でも、
人との繋がりを捨てることはできないかな、やっぱり…。
 
ライアンが、ふたりの女性と関わって知った
振り回されることの心地よさ。
 
家族も、面倒なものじゃなくて、暖かい居場所なんだ。
 
そして関わるからこそ知る、失う寂しさ…。
初めて関わろうとした女性を追いかけてみれば、
“大人の関係”を望む女性だった。
 
いかん、いかん。行っちゃいかんよ~。
妹の結婚式に、パートナーとして出席してもらったアレックス。
いろんな意味で相性が良く、
ライアンは失いたくないと思ってしまって追いかけるんだけど、
そううまくいくはずがない…。
 
この妹の結婚式の、アレックスとのシーンがとっても素敵。
温もりが伝わってくる映像でした。
だからこそ、うまくいってほしいと思ったけどね~。
 
 
ライアンも彼の会社も、
つまりは試行錯誤したけど何にも変わらなかった?
という結論ではなく…。
 
はっきりした結論があるわけではないけど、
きっといろんなことに変化が起こったのかもしれないな。
 
背負うものがないのは身軽で良いわけではなくて、
ちょっとくらい重さを感じるくらいが、楽しくていいのかもしれない。
 
そう思わせるラストでした。