南極料理人
実際に南極観測隊の調理担当としてドームふじ基地で越冬した西村淳の痛快エッセイ『面白南極料理人』を、TV「篤姫」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」の堺雅人主演で映画化したハートフル・ストーリー。家族と離れ、過酷な環境の下、男8人が約1年半にわたって共同生活を送る中で繰り広げられる喜怒哀楽の人間模様と、ストレスを抱えた隊員たちの心を料理で解きほぐそうと使命に燃える主人公が、限られた食材を相手に創意工夫を凝らして単調になりがちな毎日に潤いを与えていくさまを、優しいタッチでユーモラスに綴る。監督は弱冠31歳の期待の新鋭、沖田修一。
日本からはるか14,000キロの彼方、平均気温マイナス57℃という過酷な場所に建つ南極ドームふじ基地。ここに、観測隊の一員としてやってきた西村淳の任務は、総勢8名の男たちの食事を用意すること。日本に残してきた妻と8歳になる娘、そして生まれたばかりの息子のことが気に掛かりながらも、腕によりをかけた料理で男たちの胃袋を満たしていく。とはいえ、食材は豪華でも新たな調達のきかない最果ての地で、日々のメニューに変化を付けるのは至難のワザ。おまけに、想像を絶する過酷な生活で隊員たちの疲労とフラストレーションもピークに達していくが…。(allcinema)2009年おいしいごはん、できました。氷点下54℃、
家族が待つ日本までの距離 14,000km
究極の単身赴任。
堺雅人という俳優さんは、いつ観ても力みがない人だ。
平均気温マイナス54℃、富士山より標高の高い南極基地での1年間の生活。
望んでいたわけではないから、戸惑いもある。
家族に相談してから…、ととりあえず抵抗してみるものの、
ほぼ確定で、あっという間に南極の地での任務が始まります。
家族との生活でも、何となく疎外感。
行かないでー!と言われることもなく、
お父さんがいなくても全然平気だから心配しないで。
なんて言われちゃうんです。
寂しいのはお父さんだけ…。
そんな“西村さん”を力まずに、まるでそこにいるかのように演じてます。
南極での任務は、とっても過酷なんでしょうけど、
そう言う部分はあまり描かれてなくて、
南極にいることも忘れてしまいそうな、
まるで寮生活のような日々に、
“西村さん”が作る毎日のご飯が彩りを添えています。
その料理の素晴らしいこと!
和・洋・中、なんでもござれ。
中華バイキングが並んだときは、お腹が鳴りました(^^ゞ
行き場のない南極での日々は、
それぞれにストレスや不満も膨らんでいくわけで、
その少しずつの変化がちゃんと伝わってきます。
そしてそれと同じくらいに、8人の隊員たちの絆も深まって行って、
ある日の朝の食卓なんて、
まるでどこかの家族を見てるみたいな風景です。
“昨夜遅かったの? もう若くないんだから…”
“あぐら!”といって行儀の悪い隊員を注意したり、
挨拶をしない隊員に“おはよう”と言い続けたり…。
それ以外にも、くすっと笑えるシーンもたくさんあって、
料理人“西村さん”のプロフェッショナルな仕事っぷりを
たっぷり楽しめる作品です。
伊勢海老やラーメンのエピソードが特にお気に入りです(^^)