ノルウェイの森 (2010)
1987年の発表当時、空前のベストセラーとなり社会現象を巻き起こすとともに、日本のみならず世界中で翻訳され多くのファンを生み出した村上春樹の同名小説を「デトロイト・メタル・シティ」の松山ケンイチと「バベル」の菊地凛子主演で映画化した青春ラブ・ストーリー。学生運動が盛んな昭和40年代を背景に、深い喪失感を抱えたまま対照的な2人の女性の間で揺れ動く青年の切なくも瑞々しい青春の葛藤と再生の日々を、美しい映像で赤裸々かつ繊細に描き出す。共演はモデル出身でこれが演技初挑戦となる水原希子。監督は「青いパパイヤの香り」「夏至」のトラン・アン・ユン。
唯一の親友・キズキを突然の自殺で失ったワタナベは、悲しみから立ち直れないまま東京の大学で学生生活をスタートさせる。ある日、ワタナベはキズキの恋人・直子と偶然の再会を果たす。同じ喪失感を共有する2人は次第に惹かれ合っていくが、2人の関係が深まるにつれ、直子は心のバランスを崩してしまい、ついには京都の療養所に入院することに。直子と会うことも叶わないワタナベの前に、直子とは対照的に若者らしい明るさと生命力に満ちた緑が現われる。積極的な緑との交流を持ちながらも直子の状態が心配でならないワタナベ。そんな中、ようやく直子との面会が許され、京都へと向かうワタナベだったが…。(allcinema)2010年 NORWEGIAN WOOD深く愛すること。
強く生きること。
赤と緑の表紙を持つ原作本・「ノルウェイの森」。
発表されたときに父が買って来て、読みました。
その後、村上春樹氏の不思議な世界観にハマって、
何冊か立て続けに読んだ記憶があります。
ただし、今回の映画化に当たっては再読することもなく
純粋に映画を観に行ったんですが…。
そうはいっても、直子の存在感は強烈だったのか、
そこだけは印象に残っていました。
たった一度だけ…。
強烈な印象ですよね(^^ゞ
観ているうちに、直子ってこんな感じだったっけ?
と思うようになってしまって、
どうも、菊池凛子さんと重ならない…。
原作がある物に関しては、
それぞれに思いがあるので、イメージと違うことも仕方ないですね。
おまけに、小説の文章をそのまま使っているということで
台詞に馴染むのにもちょっと時間がかかってしまいました。
生と死。
20歳前後の迷い。
男と女。
いろんなものが盛り込まれていてかなり長いし、
山場があるわけではないので、気を抜くと睡魔が…。
あ、それに関しては、館内の温度設定にも問題があったかも…(^^ゞ
それでも後半に向かって緊張が高まります。
ワタナベの若さゆえの迷いが伝わるんですよね。
あっちもいいけどこっちもあり。
そういう優柔不断とも見えるワタナベって、若さの象徴みたい。
60年代後半の大学、学生ってこんなだったのかな。
私はその時代を生きたわけではないけど、
以前に読んだ、その時代の書物と同じ匂いがしました。
よく描けているのでしょうね。
日本かな~って思える広大な風景も、
その時代はこうだったのかもしれないって思えたりします。
果たしてこの作品に、村上ワールドが描けているのか分からないけど、
不思議な空気感を味わえる作品ではあります。
やっぱい原作を読み返さないといけませんね。