新しい人生のはじめ方

イメージ 1アメリカとイギリスを代表する名優、ダスティン・ホフマンエマ・トンプソンの共演で贈る大人の恋愛ストーリー。人生の折り返し地点を過ぎ、それぞれに悩みを抱えた2人の男女がロンドンの街で偶然に出会い、一緒に過ごすひとときの中で前向きな気持ちを取り戻していく姿をハートウォーミングに綴る。監督は、これがデビュー2作目となるイギリスの新鋭、ジョエル・ホプキンス
 離婚してニューヨークで気ままな一人暮らしをしているCM作曲家のハーヴェイは、イギリスに暮らす一人娘の結婚式のためロンドンへと向かう。しかし、仕事のことが気がかりで携帯を手放せず、親族の集まりの中でも疎外感を味わうことに。おまけに娘からはバージンロードは義父と歩くと告げられ、気持ちはどん底に。一方、気むずかしい母親を抱え、もはや人生に期待しないことでどうにか自分を保って生きている孤独な女性、ケイト。ある時、空港のバーでひとり静かに本を読んでいたケイトは、やけ酒をあおっていたハーヴェイから声をかけられるのだが…。(allcinema)
 
 
2008年 アメリ
原題:LAST CHANCE HARVEY

人生の曲がり角の先には、きっと──
素晴らしい冒険が待っている。
 
監督: ジョエル・ホプキンス 
製作: ティム・ペレル  ニコラ・アスボーン 
製作総指揮: ジャワル・ガー 
脚本: ジョエル・ホプキンス 
撮影: ジョン・デ・ボーマン 
プロダクションデザイン: ジョン・ヘンソン 
衣装デザイン: ナタリー・ウォード 
編集: ロビン・セイルズ 
音楽: ディコン・ハインクリフェ 
出演: ダスティン・ホフマン ハーヴェイ・シャイン
       エマ・トンプソン ケイト・ウォーカー
       アイリーン・アトキンス マギー
       ジェームズ・ブローリン ブライアン
       キャシー・ベイカジー
       リチャード・シフ マービン
       リアーヌ・バラバン スーザン
       ブロナー・ギャラガー  ジェレミー・シェフィールド  ダニエル・ラパイン 
       パトリック・バラディ  アダム・ジェームズ  マイケル・ランデス
 
 
邦題のつけ方っていろいろ問題があることも多いんですけど、
「新しい人生」と「ラストチャンス」だと、
イメージとしては対極に感じるんですけど…?
「新しい人生」だとかなり前向きですがすがしい感じで、
「ラストチャンス」だと最後の悪あがきみたいな…?(^^ゞ
 
この作品をどう受け止めるかは、観る側の年代や状況にも左右されそうです。
 
一流のCM作曲家、ハーヴェイ。
自信があったはずの仕事では、クライアントから若い人材の起用を求められ、
愛娘の結婚式では、バージンロードを一緒に歩かないと言われ、
自分の存在意義を見失っていきます。
どちらも大切にしてきたものだったのです。
それを奪われるハーヴェイ。
切ないですよね~。
 
一方ロンドンに暮らすケイト。
年老いた母親は気難しく恋人もいない上に、男性との付き合いも苦手。
周囲は心配するものの、本人はそろそろ結婚や人生に諦め始めていました。
 
このケイト。
個人的にはちょっと、いや、かなり痛い。
一歩間違えば、似たような気持ちに陥りそう…。
 
そのふたりがひょんなことから出会い、話が弾み、惹かれあう…。
サプライズもなくベタな展開なのですけど、
ダスティン・ホフマンエマ・トンプソンの落ち着いた演技で、
安心して見ていられます。

女だからケイトに肩入れしちゃうんでしょうけど、
スタイルも良くないし、大柄で見栄えもよくない。
男なんて無理だし、ひとりで本を読んでるほうが楽しい。
そういう普通のおばさんだって、気の合う人がいれば人生が楽しくなっちゃう。
そう分かったとき、女はまた輝き始めるんですよね。
 
何もそこに人生の喜びを見出さなくても…、と思うかもしれないけど、
やっぱりひとりより誰かと一緒がいい。
そう思えると優しい気持ちで観ることができると思います。
 
ダスティン・ホフマンは高齢にもかかわらず、素敵なおじさんです。
ハーヴェイみたいに、いくつになっても仕事も恋も前向きなんていいですよね。
それをカッコイイと思える社会だといいな。
 

ふたりにとっては悪あがきの「ラストチャンス」なのかもしれないし、
だからこそ清々しい「新しい人生」になるんでしょうね。
つまりタイトルはどちらも当てはまる、かな?(^^ゞ