シングルマン

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 グッチやイヴ・サンローランでの活躍などで知られるファッション界を代表するデザイナー、トム・フォードが、自身念願の映画監督デビューを飾ったヒューマン・ドラマ。クリストファー・イシャーウッドの原作に監督自身の体験も織り込み、愛する者を失い絶望の中で自らも死を決意した男が送る運命の一日を美しい映像で丁寧に綴ってゆく。主演は「ブリジット・ジョーンズの日記」のコリン・ファース。共演に「ブラインドネス」のジュリアン・ムーア
 1962年、ロサンゼルス。大学教授のジョージは、16年間共に暮らしたパートナー、ジムを交通事故でなくして以来、8ヶ月に渡り悲嘆に暮れていた。そして今日、その悲しみを断ち切り、人生に終止符を打とうと決意する。身の回りを整理し、最期を迎える準備を進めていくジョージだったが、大学ではめずらしく自らの信条を熱く語り、ウンザリしていた隣家の少女との会話に喜びを感じ、かつての恋人で今は親友の女性チャーリーと思い出を語らい合うなど、その日は些細な出来事がいつもと少し違って見えるのだった。そして一日の終わりを迎えようとしていたジョージだったが、そんな彼の前に教え子のケニーが現われ…。(allcinema)

 
2009年 アメリ
原題:A SINGLE MAN
 
愛する者を失った人生に、
意味はあるのか。
 
監督: トム・フォード 
製作: トム・フォード  アンドリュー・ミアノ  ロバート・サレルノ  クリス・ワイツ 
原作: クリストファー・イシャーウッド 
脚本: トム・フォード  デヴィッド・スケアス 
撮影: エドゥアルド・グラウ 
プロダクションデザイン: ダン・ビショップ 
衣装デザイン: アリアンヌ・フィリップス 
音楽: アベル・コジェニオウスキ 
出演: コリン・ファース ジョージ
    ジュリアン・ムーア チャーリー
    マシュー・グード ジム
    ニコラス・ホルト ケニー
    ジョン・コルタハレナ カルロス
    ジニファー・グッドウィン 
    テディ・シアーズ 
    ポール・バトラー 
    アーロン・サンダーズ 
    ケリー・リン・プラット 
    リー・ペイス 
    リッジ・キャナイプ 
    エリザベス・ハーノイス 
    エリン・ダニエルズ 
    ニコール・スタインウェデル 
 
英国王のスピーチ】でコリン・ファースを観てから、
こちらも観たいと思うようになっていましたが、ようやく鑑賞できました。
 
コリン・ファースの、静の演技が見事ですね。
 
主要な三人の人物それぞれがシングルマンなんだと感じました。
愛する人を亡くしたジョージ。
そのジョージのかつての恋人チャーリー。
ジョージの教え子ケニー。
ふたりの存在が必要なんだけど、それを認めることを良しとしないジョージの心情。
それだけ亡くした恋人の存在が大きかったのだと分かるんですが、
それはやはりノーマルな関係ではなかったから、なんでしょうね。
 
失くした恋の穴を埋めるには、新しい恋が一番なんでしょうが、
それすら拒むのは、愛情の深さと、自分自身への諦め…。
新しい恋をするほど若くはない、と思ったかもしれない。
それは恋人への冒涜だ、と思ったかもしれない。
 
生きていくことへの執着心がないと、死すら日常になってしまうんだろうか…。
そんなことを感じました。

恋人を追って死にたいと思う気持ちと、ふたりへの想いが絡み合い、
最後には生きてみようと思い始めるんですよね。
ところが思い通りにいかないのが人生…。

人に優しくされたり、人に優しくしたり、
そういう関わりがあるから、生きていこうと思うんですよね。
 
色彩がとても綺麗な映像でした。
セリフも多くないけど、それぞれの表情がちゃんと伝えてくれる…。
100分というコンパクトな長さの中で、丁寧な作り方をしている作品です。