しあわせの雨傘

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 「焼け石に水」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督が、「8人の女たち」以来となるカトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎えて贈るハートフル人生コメディ。70年代の地方の町を舞台に、家庭の中でおとなしく収まっていたひとりのブルジョワ主婦が、図らずも社会進出の機会を得たことから次第に自らのアイデンティティに目覚めていく中で家族や周囲の人々と繰り広げる悲喜こもごもの人間模様を、シニカルな視点を織り交ぜつつ、ユーモラスかつ爽やかなタッチで描き出す。共演にジェラール・ドパルデューファブリス・ルキーニ
 1977年、フランス。地方のとある町に暮らすスザンヌは、雨傘工場を経営するロベールを夫に持つ貞淑ブルジョワ主婦。優雅な毎日を送りながらも、美しく着飾り亭主関白な夫におとなしく従うだけの“お飾りの妻”に満たされないものを感じ始めていた。そんなある日、工場でストライキが起こり、ロベールと労働者側の対立がエスカレートしていく。ところがその最中、ロベールが心臓発作で倒れてしまう。かつての恋人でもある左翼の市長ババンに説得され、自ら経営を引き継ぐハメになったスザンヌだったが、意外にも彼女流のやり方で労働者たちのハートを掴み、業績を大幅に改善させることに成功する。こうして、スザンヌによる経営が軌道に乗り始めた矢先、退院したロベールが戻ってくるのだったが…。(allcinema)
 
2010年 フランス
原題:POTICHE
 
色とりどりの傘があれば、
人生の雨もまた楽しい。
 
監督: フランソワ・オゾン 
製作: エリック・アルトメイヤー  ニコラス・アルトメイヤー 
原作: ピエール・バリエ  ジャン=ピエール・グレディ 
脚本: フランソワ・オゾン 
撮影: ヨリック・ル・ソー 
美術: カーチャ・ヴィシュコフ 
衣装: パスカリーヌ・シャヴァンヌ 
編集: ロール・ガルデット 
音楽: フィリップ・ロンビ 
出演: カトリーヌ・ドヌーヴ スザンヌ・ピュジョル
       ジェラール・ドパルデュー モリス・ババン
       ファブリス・ルキーニ ロベール・ピュジョル
       カリン・ヴィアール 秘書ナデージュ
       ジュディット・ゴドレーシュ ジョエル
       ジェレミー・レニエ ローラン
       エヴリーヌ・ダンドリー 
       エロディ・フレージェ 
       セルジ・ロペス 
       ブリュノ・ロシェ
 
舞台は1977年のフランス。
またしても時代背景が分からないのが難点…(^^ゞ
フランスが、どんどん社会主義国家になって行った頃だとか。
 
封建的な夫や娘から馬鹿にされながら、家庭の主婦として暮らしていたスザンヌ
夫の病気療養から会社を任されることで、才能を開花させていきます。
社員たちも、アットホームなスザンヌの経営方針に力を発揮して、
傾きかけていた会社も持ち直して行く来ました。
 
ところが、夫の復帰からスザンヌの立場が危うくなります。
重役はみなスザンヌの手腕を買っているけれど、
夫はもちろん、娘までもが父親の肩を持つことに…。
 
夫との関係はまあ、納得というか、ありがち。
ところが娘にはイラ!とさせられました。
なんておバカなの!

進歩的な母親、スザンヌとは違って、狭い視野でしか見られない女性なのでした。
最後に、人生を謳歌するスザンヌをテレビ越しに観る、夫と娘の姿には笑えましたけど(^^)

テンポが速く、あっという間に進行するので、入り込めないままに進んで行ったのが残念。
 
面白くないわけじゃないけど、
良妻賢母と思われたスザンヌが、実は若い頃はかなりの遊び人だったとか、
一度きりの情事が忘れられずにいる市長との話とか、
それがフランス映画の匂いなのかしら、と思ってしまいます。
 
夫を始め、登場する男性がなんとも情けなく描かれています。
 
原題の“POTICHE”とは飾り壺のこと。
本編でも度々登場する言葉なんですが、
美しいけれど、アイデンティティーを確立していない女性の蔑称だそうです。
 
女性よ、年齢に負けずに羽ばたけ!
そんな女性賛歌の作品です。
 
カトリーヌ・ドヌーブは、とってもお綺麗です。
それ、観るだけでもいいかも♪