コンテイジョン (2011)

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 「トラフィック」「オーシャンズ11」のスティーヴン・ソダーバーグ監督が、マット・デイモンジュード・ロウローレンス・フィッシュバーンマリオン・コティヤールをはじめとするオールスター・キャストで描く衝撃の感染パニック・サスペンス。未知の致死性ウイルスが猛烈な勢いで世界中に拡散していく中、各国関係当局の懸命の対策もむなしく、恐怖と混乱が人々を支配していくさまを、科学的な考証とシミュレーションをベースとした圧倒的なリアリズムによる緊迫感溢れるドキュメンタリー・タッチの筆致で描き出していく。
 ある日、香港の出張から帰国するや体調不良を訴えていた女性が、その2日後に突然はげしい痙攣を起こして意識不明に陥り、そのまま死亡してしまう。同じような事例が世界各地で相次ぎ、世界保健機関(WHO)が動き出す。さらには、アトランタの疾病予防管理センター(CDC)や各国の衛生当局も未知のウイルスの特定とワクチン開発に乗り出すとともに、感染者の隔離と感染ルートの解明に奔走していく。そんな中、いち早く伝染病の警鐘を鳴らしたフリー・ジャーナリスト、アランのブログには情報を求める人々が殺到してくるが…。(allcinema)
 
2011年 アメリ
原題:CONTAGION
上映時間 106分

 
【恐怖】は、ウイルスより早く感染する。
 
監督: スティーヴン・ソダーバーグ 
製作: マイケル・シャンバーグ  ステイシー・シェア  グレゴリー・ジェイコブズ 
製作総指揮: ジェフ・スコール  マイケル・ポレール  ジョナサン・キング 
脚本: スコット・Z・バーンズ 
撮影: ピーター・アンドリュース 
プロダクションデザイン: ハワード・カミングス 
衣装デザイン: ルイーズ・フログリー 
編集: スティーヴン・ミリオン 
音楽: クリフ・マルティネス 
出演: マリオン・コティヤール ドクター・レオノーラ・オランテス
       マット・デイモン ミッチ・エムホフ
       ローレンス・フィッシュバーン エリス・チーヴァー博士
       ジュード・ロウ アラン・クラムウィディ
       グウィネス・パルトロー ベス・エムホフ
       ケイト・ウィンスレット ドクター・エリン・ミアーズ
       ブライアン・クランストン ライル・ハガティ海軍少将
       ジェニファー・イーリー ドクター・アリー・ヘクストール
       サナ・レイサン オーブリー・チーヴァー
       ジョシー・ホー  チョイ・ティンヤウ  モニーク・ガブリエラ・カーネン  ダリア・ストロコウス 
       ジョン・ホークス  アルミン・ローデ  ラリー・クラーク  アナ・ジャコービー=ヘロン 
    ディミトリ・マーティン   エリオット・グールド  エンリコ・コラントーニ  ジム・オルトリーブ 
    カーラ・ゼディカー 
 
これかだけの有名どころを揃えていながら、俳優たちにとらわれずに観られるって凄いです。
 
誰が主役なのか、どこが主軸なのか、悪く言えばはっきりしない内容なんだけど、
大袈裟にワクチンを開発したり、ウィルスの源を見つけたり、犯人を追及したりしない。
誰か一人がヒーローにならないところは、ドキュメンタリーを見ているような、
リアリティを感じる作品でした。
 
物語は、事件発生の二日目から始まります。
何かありそうと臭わせるカメラワーク。
触った物がひとつずつ捉えられていくんです。
何から感染したんだろうと、見る側にも予想させます。
 
世界保健機関(WHO)
アトランタの疾病予防管理センター(CDC)
の、それぞれのドクターや研究者たちが動き始めます。
感染源は?感染者は?感染経路は?
調べ上げていく過程が大筋で、
それにマット・デイモン扮するミッチが娘を守り続ける姿や、
ジュード・ロウ扮するフリージャーナリストのアランが、事件をネタに金儲けをしようとする姿が
枝葉としてくっついています。
 
ミッチはどこにでもいそうなパパです。
妻と義理の息子を病気で亡くしますが、
妻は感染第一号として行動を細かく調べられ、浮気したことまでばれてしまうけど、
生き残った娘を必死で守ろうとする。
それはヒーローでも何でもなく、愛情深い父親の姿でした。
ワクチン接種が済まない娘に、一人だけのプロムパーティを開くラストは、
家族を襲った不幸を声高に叫ぶのではなく、
カメラに映った妻の姿を見ながらむせび泣く、と言う姿で表わしていて感動的でした。
 
誰だって家族を守りたい。
そういう姿を、ミッチを始め登場人物が見せてくれます。
自分だけ助かりたいのか、世界中の人々を守りたいのか、
狭間で揺れる心理描写も、とても静かでした。

取材と称して動き回るアランは、ブログやfacebookといったネットを使って
人々を追いつめてたり煽ったりして、金儲けを企みます。
まさに現代を象徴してます。

ウィルスの感染も、香港からアメリカ、日本とあっという間に広がるし、
ネットもそうだし、国境はあってないものになってるんだなあと実感します。
ウィルスの感染はもちろん怖いけど、
何が真実か、自己判断に委ねられるネット社会の怖さも感じました。

そして最後に、ミッチが見ていたカメラの映像から
描かれていなかった一日目へ戻り、
感染源や感染ルートが分かるようになっています。
 
自然破壊への警告も描かれていたのかもしれませんね。