カンパニー・メン

 イメージ 1金融危機に端を発した長引く不況で高い失業率が深刻にして身近な社会問題となっている現代のアメリカを舞台に、リストラに直面した男たちが辿る厳しい再生への道のりをリアルかつ真摯に見つめる中で、過度な金融偏重の経済活動がもたらした社会の歪みを静かに訴えかけるヒューマン・ドラマ。主演は「ザ・タウン」のベン・アフレック、共演にトミー・リー・ジョーンズクリス・クーパーケヴィン・コスナー。監督は大ヒットTVシリーズ「ER 緊急救命室」や「ザ・ホワイトハウス」を手がけてきた俊英、ジョン・ウェルズ。これが記念すべき長編監督デビューとなる。
 ボストンの大企業GTXに勤めるエリート・ビジネスマン、ボビー・ウォーカーは、愛する妻マギーと2人の子どもたちに囲まれながら何不自由ない幸せな毎日を送っていた。ところが、その順風満帆な人生は、リーマン・ショックによって一夜にして暗転してしまう。会社側の突然のリストラ通知に為す術もないボビー。しかも解雇手当はたったの12週間分。それでも最初はすぐに再就職できると高を括っていたものの、不採用の連続に自信もプライドも打ち砕かれていく。そんな厳しい現実に負けそうになる彼を、マギーは献身的に支える。やがてボビーは、工務店を営む義兄ジャックに頭を下げ、かつては見下していた肉体労働に汗を流すのだった。一方その頃、GTX社ではさらなるリストラによって2人の重役ジーンとフィルにも非情な解雇が告げられ、それぞれ苦境に立たされることとなるが…。(allcinema)
 
2010年
原題:THE COMPANY MEN

上映時間 104分
製作国 アメリ
 
どんなときも、上を向こう
突然やってきたリストラ通告。絶望を希望に変えられるのか。
 
監督: ジョン・ウェルズ 
製作: クレア・ラドニック・ポルスタイン  ポーラ・ワインスタイン  ジョン・ウェルズ 
製作総指揮: バーバラ・A・ホール 
脚本: ジョン・ウェルズ 
撮影: ロジャー・ディーキンス 
プロダクションデザイン: デヴィッド・J・ボンバ 
衣装デザイン: リン・パオロ 
編集: ロバート・フレイゼン 
音楽: アーロン・ジグマン 
出演: ベン・アフレック ボビー・ウォーカー               クリス・クーパー フィル・ウッドワード
       ケヴィン・コスナー ジャック・ドーラン             マリア・ベロ サリー・ウィルコック
       ローズマリー・デウィット マギー・ウォーカー       クレイグ・T・ネルソン ジェームズ・サリンジャー
      トミー・リー・ジョーンズ ジーン・マクラリー
      イーモン・ウォーカー         パトリシア・カレンバー             ダナ・エスケルソン 
      トム・ケンプ                 ケイディ・ハフマン                 トニー・パタノ 
      ジョン・ドーマン             デヴィッド・カタンザーロ 
 
出演者目当てで観たんですが、面白かったです。
 
自信満々のサラリーマン・ボビーは、気がついたら失業者になっていて、
自信はあったはずなのに、全然再就職が見つからない。
そんなばかな、というくらいの豪邸に住んで、ポルシェに乗ってなんていう優雅な生活が
失業で変わることを、ボビーは受け止められない。
奥さんや子供たちはもっと冷静で、
現実を受け止めているのに、見栄ばかりで…。
ボビーの後にリストラされたフィルは、60歳を前にしての失業に
もっと現実を受け止められない。
子供の学費や住宅ローン。
のんびり隠居生活なんて送れないのが現実なのだ。
 
そのふたりの上司であり副社長のジーンは、
会社を一緒に起こした社長に、こんなやり方は納得できない、と食い下がるけど
社長には会社を守るという大義名分があるわけです。
そしてついにはジーンすらもリストラされて…。
 
男主体で描かれているけど、
例えばボビーの奥さんは、理解があって夫を支える良妻。
夫のリストラが恥ずかしくて、ご近所に知られたくないと言うフィルの奥さん。
夫が浮気していることを知っていて、当てつけのように高級な家具を買うジーンの奥さん。
いろんな妻像が描かれています。
 
もしそんな境遇に立ったら、さて自分はどんな妻になるんだろう。
なんて思ってみたり、
所詮会社は守ってくれるわけではないと思ってみたり…。
 
でも苦しくなるような展開ではなく、
ボビーの苦境を救った義理の兄ジャックの存在や、
一緒に就職活動する仲間の温かさや、
そして何より、声高に叫ぶわけではないけど、
ジーンの物づくりへこだわりがカッコ良いのだ。
 
都合良くまとまってしまうのは、映画ならではということで。
決してどん底は長く続かない。
 
『私は必ず勝つ
 私には信念と勇気と熱意があるから』