ミケランジェロの暗号

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 第二次大戦下のウィーンを舞台に、ミケランジェロが描いた一枚の絵を巡って、ナチスを相手に命を懸けた虚々実々の駆け引きを繰り広げるユダヤ人画商一家の運命を、ユーモアを織り交ぜつつスリリングに描いたエンタテインメント・サスペンス・ミステリー。主演は「es [エス]」のモーリッツ・ブライブトロイ、共演にゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウス。監督はオーストリアの俊英ヴォルフガング・ムルンベルガー。
 1938年、オーストリアのウィーン。画廊を営むユダヤ人一族のカウフマン家は、ムッソリーニも欲しがるという国宝級の逸品、ミケランジェロの素描を隠し持っていた。ある日、息子のヴィクトルは、兄弟同然に育った使用人の息子ルディと久々の再会を果した際、その絵の隠し場所を教えてしまう。しかし、ナチスに傾倒していたルディは、昇進を狙ってそのことを密告、追い詰められた一家は、スイスへの亡命を条件に絵の引き渡しに合意するのだったが…。8allcinema)
 
2010年
原題:MEIN BESTER FEIND     MY BEST ENEMY
上映時間 106分
製作国 オーストリア
 
監督: ヴォルフガング・ムルンベルガー 
製作: ヨゼフ・アイヒホルツァー 
脚本: ポール・ヘンゲ 
脚色: ヴォルフガング・ムルンベルガー 
撮影: ペーター・フォン・ハラー 
音楽: マシアス・ウェバー 
出演: モーリッツ・ブライブトロイ ヴィクトル・カウフマン         ゲオルク・フリードリヒ ルディ・スメカル
       ウーズラ・シュトラウス レナ                               マルト・ケラー ハンナ・カウフマン
       ウーヴェ・ボーム ヴィドリチェク親衛隊大佐            ウド・ザメル ヤーコプ・カウフマン
       ライナー・ボック ラウター親衛隊大尉                    メラーブ・ニニッゼ モーリッツ・ハイデン
       カール・フィッシャー マイヤー親衛隊中佐              クリストフ・ルーザー ウェーバー親衛隊軍曹
       セルゲ・ファルク ノルドナー親衛隊大佐
 
 
ユダヤ人とナチスと言う設定なので、シリアスなドラマを想像していたけど、
最終的にとってもコミカルで、お洒落な気分で観終わった作品でした。
 
ユダヤ人の画商一家。
まだ戦争が深刻になる以前のカウフマン一家は、
使用人も使っていてそれなりに裕福でした。
その使用人の息子が、
家族同然だと思っていたその息子・ルディが、ナチス親衛隊の一因となって
カウフマン一家にミケランジェロの絵があることを密告し
カウフマン一家と立場を分かつことになります。
 
カウフマンの息子・ヴィクトルとルディの立場。
主人の息子と使用人の息子で始まったふたりの関係が、
ユダヤ人とナチス親衛隊に変わり、
それがさらに入れ替わり…。
と、形勢が入れ替わって行く面白さがありました。
 
同じ立場にとどまることはなく、どんどん変わって行くふたりの関係。
 
圧倒的にヴィクトルが優位だと思っていたのに、終戦後に待っていたオチ。
これはもしかして悲惨な結末が待ってるか?
と一瞬緊張しますが、それも無事に解決。
 
時々流れるBGMがちょっとコミカルで、雰囲気に合わないな~と思っていたけど
実はそのコミカルな音楽が物語っていたのだ…!
と後で知らされる、ちょっと憎い演出。
 
タイトルから、ミケランジェロの絵に何か隠されているのかと思っていたら、
そういうミステリーではなく、絵に翻弄された人々の話だったのです。

肝心のミケランジェロの絵の存在は、多分映画を観慣れた人ならすぐに分かるでしょう。
かく言う私もそこだ!と分かりました(^^)
 
まんまと騙されていくルディの姿と、思い通りに全てを手にしたヴィクトル。
そのヴィクトルのウィンクに、にやりとさせられます。
 
ユダヤ人とナチスの対立を深刻に描かないことで、
果たしてその設定が必要だったかどうかは、意見の分かれる部分でしょうか。
その設定のおかげで、深刻な内容を想像していたので、
肩透かしを食らった感じですけど、逆にそれを面白いと感じました。
 
ご覧になったみなさんは、どんなご意見でしょうか(^^)
 
 
モーリッツ・ブライブトロイって【ソウル・キッチン】のお兄ちゃんだった!
全然雰囲気が違う…(^^ゞ