ジャンゴ 繋がれざる者 (2012)

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 「キル・ビル」「イングロリアス・バスターズ」のクエンティン・タランティーノ監督が、南北戦争直前の黒人奴隷制を真正面から取り上げつつ、マカロニウエスタンへの愛を爆発させた痛快バイオレンス・アクション。元奴隷のジャンゴがドイツ人の賞金稼ぎキング・シュルツの助けを借りて壮絶な復讐に乗り出すさまを描く。主演は「Ray/レイ」のジェイミー・フォックスと「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ヴァルツ。また、非道な農園領主を演じたレオナルド・ディカプリオのかつてない悪役演技も話題に。
 南北戦争勃発前夜のアメリカ南部。賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・シュルツは、お尋ね者三兄弟の顔を知る黒人奴隷ジャンゴを見つけると、彼の鎖を解き放ち、三兄弟の追跡に繰り出す。その後、ジャンゴの腕を見込んだシュルツは、彼を賞金稼ぎの相棒にして2人で旅を続けることに。しかし、そんなジャンゴが真に目指す先は、奴隷市場で生き別れた最愛の妻ブルームヒルダのもと。やがて、彼女が極悪非道な農園領主カルビン・キャンディに売り飛ばされたことを突き止めたジャンゴとシュルツ。2人はキャンディに近づくため、ある周到な作戦を準備するのだが…。<allcinema>
 
2012年
原題:DJANGO UNCHAINED
上映時間 165分
製作国 アメリ
これがワイルドだ。
監督: クエンティン・タランティーノ 
製作: ステイシー・シェア  レジナルド・ハドリン  ピラー・サヴォン 
製作総指揮: ボブ・ワインスタイン  ハーヴェイ・ワインスタイン  マイケル・シャンバーグ 
         シャノン・マッキントッシュ  ジェームズ・W・スコッチドープル 
脚本: クエンティン・タランティーノ 
撮影: ロバート・リチャードソン 
プロダクションデザイン: J・マイケル・リーヴァ 
衣装デザイン: シャレン・デイヴィス 
編集: フレッド・ラスキン 
出演: ジェイミー・フォックス ジャンゴ
    クリストフ・ヴァルツ Dr.キング・シュルツ
    レオナルド・ディカプリオ ムッシュ・キャンディ
    ケリー・ワシントン ブルームヒル
    サミュエル・L・ジャクソン 執事スティーブン
    ドン・ジョンソン   ジョナ・ヒル   ウォルトン・ゴギンズ   デニス・クリストファー 
    ローラ・カユーテ   M・C・ゲイニー   クーパー・ハッカビー   ドク・デュハム 
    ジェームズ・ルッソ   トム・ウォパット   ジェームズ・レマー   マイケル・パークス 
    フランコ・ネロ 
 
話題の作品ですから、長いけど頑張って観てきました。
リンカーン】の公開が間近なのも、いいタイミングなのかな。
時代が、南北戦争が始まる前ですもんね。
黒人差別が過激に描かれていました。
 
賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・ショルツ。
アカデミー賞助演男優賞クリストフ・ヴァルツ
まあ、見事な演技っぷりでした。
彼に関しては、言うことなし。期待通り。
で、そのキング・ショルツが、ハンティング相手を見つけるために
黒人のジャンゴの手を借りようとするところから、物語は始まります。
 
ジェイミー・フォックス演じるジャンゴは、奴隷ではなく自由人、パートナーとして
キング・ショルツと行動を共にしていくんですが、
キング・ショルツがドイツ人というのがひとつのキーポイント。
彼は奴隷制度を嫌っていました。
 
申し訳ないけど、前半はクリストフ・ヴァルツの一人舞台といってもいいくらい。
丁寧な言葉で素早く相手を倒す…。
無敵に思えるキング・ショルツに圧倒されます。

広大な雪山。
夕日に染まる山々…。
果てしない空間を旅する風景などの見せ場もありました。

そしてもう一人の話題の人物
ディカプリオくん。
今回悪役なんだけど、ほんとにほんとに嫌な奴でした。
でも、その嫌な奴を、楽しそ~に演じてるように見えたのは私だけ…?
ちょっと俳優業はお休みするみたいだけど、次の作品も期待できそうです。
 
印象的な悪役がもう一人。
サミュエル・L・ジャクソン
いや、もうびっくり。
レオ君の農園の使用人なんだけど、実権を握ってるのはどっち?
と思うような古参の黒人頭。
 
悪役がちゃんと悪役として機能してると、
勧善懲悪としてドラマが盛り上がるわけで、
ひとりになったジャンゴが、
妻を取り戻し、黒人の仇を取り、解放するために闘う姿は、かっこいいんですよね~。
クリストフ・ヴァルツにお株を奪われた感じの前半とは打って変わって、
後半は、ジェイミー・フォックスの精悍な顔と身のこなしに見入ってしまいました。
 
タランティーノ監督作品はパス」という後輩もいるくらい、
アクが強くて観る人を選ぶ作品なんだろうけど、
イングロリアス・バスターズ】もこれも、タランティーノ監督なりの正義が描かれてる気がしますよ。
確かに、バンバン人は死ぬし血しぶきは飛び散るし、
黒人の扱いは非道だけどね…。

この後、黒人解放になるんだな~。
なんて、妻とともに去っていくジャンゴの姿を見ながら思ったのでした。
165分の死闘の結果。
これまたラブストーリーだったのね、というラスト。
長さを感じさせない見ごたえたっぷりの作品でした。
 
“ジャンゴ”に関してのうんちくは語れませんが、
観客の男性が、奥さんに昔の作品の話をしていました。
映画愛も詰め込まれてるんでしょうね。