声をかくす人

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 ロバート・レッドフォードが監督を務め、リンカーン大統領の暗殺に関わったとしてアメリカで女性として初めて死刑に処せられたメアリー・サラットの史実を基に、その裁判の過程をできるだけ忠実に再現して描き出した法廷ドラマ。一貫して無実を主張しながら何かを守って沈黙を続けるサラットの姿と、予断と偏見の中で感情的な報復へと突き進む世論に抗い、真実と法の正義を求めて孤高の戦いを繰り広げる弁護士フレデリックの葛藤と奮闘を綴る。主演はロビン・ライトジェームズ・マカヴォイ、共演にトム・ウィルキンソンケヴィン・クラインエヴァン・レイチェル・ウッド
南北戦争終結間もない1865年。リンカーン大統領が南軍の残党によって暗殺される。主犯のジョン・ウィルクス・ブースは逃亡中に射殺され、さらに7人の男と1人の女が共犯として逮捕される。女の名前はメアリー・サラット。下宿屋を営みながら2人の子どもを育てる未亡人だった。元北軍大尉のフレデリック・エイキンは、元司法長官のジョンソン上院議員から彼女の弁護を頼まれる。犯人への憎しみを抱きながらも、渋々弁護を引き受けたフレデリックだったが、被告が民間人にもかかわらず、一般の法廷ではなく軍法会議にかけられることに違和感を覚える。そんな中、毅然と無罪を主張しながらも、それ以外のことは黙して語らないメアリーに戸惑うフレデリック。しかし、審理が進むにつれ彼女の無実を確信、弁護に力が入る。するとフレデリックへの風当たりも強くなり、いつしか四面楚歌の状況に追い込まれるが…。<allcinema>
2011年
原題:THE CONSPIRATOR
製作国アメリ
彼女の罪。それは、最期まで秘密を守ろうとしたこと――。
監督:ロバート・レッドフォード 
製作:ロバート・レッドフォード グレッグ・シャピロ ビル・ホールダーマン 
ブライアン・フォーク ロバート・ストーン 
製作総指揮:ジョー・リケッツ ジェレマイア・サミュエルズ ウェブスター・ストーン 
原案:ジェームズ・ソロモン グレゴリー・バーンスタイン 
脚本:ジェームズ・ソロモン 
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル 
プロダクションデザイン:カリーナ・イワノフ 
衣装デザイン:ルイーズ・フログリー 
編集:クレイグ・マッケイ 
音楽:マーク・アイシャム 
出演:ジェームズ・マカヴォイ フレデリック・エイキン
ロビン・ライト メアリー・サラット
ケヴィン・クライン エドウィン・M・スタントン陸軍長官
エヴァン・レイチェル・ウッド アンナ・サラット
ダニー・ヒューストン ジョセフ・ホルト総監(検察)
ジャスティン・ロング ニコラス・ベイカ
アレクシス・ブレデル サラ
ジョニー・シモンズ ジョン・サラット
コルム・ミーニイ デヴィッド・ハンター
トム・ウィルキンソン リヴァディ・ジョンソン上院議員(元司法長官)
 
こういう作品はシネコンに来ないので、劇場で観るのが難しい。
でも、本当にいい作品でした。
もったいないな~。とつくづく思います。
 
 
原題は「共謀者、陰謀者」という意味だそうで、
邦題とはかなり違うぞ、と思っていたら、
初めは容疑者であるメアリーという女性のことだとばかり思ってたんですが 、映画を観続けてるとどーもそうではない、隠された声だったんですね、 裁判に都合の悪い声は”隠してしまう人”がいたということなんです、 と解釈しました
というコメントを読んで、そういう解釈も有りかと思った次第です。
 
この作品が公開されたときに、下調べをしていたので、
メアリー・サラットが、アメリカ史上初めて死刑になった女性ということは知っていました。
てっきり、彼女は無実で、理不尽な死だったと言おうとしているのかと思っていたら、
ちょっと違っていました。
 
最初はやはり無実で、偉大なるリンカーン大統領を暗殺した犯人を死刑にすることで
民衆の怒りの矛先を収めようとしていると感じ、
やっぱり無実の罪だったんだと、そういう方向で描いているんだと
引いた観方をしていました。
 
でも、最後まで観ても、メアリーが共犯だったかどうかは決めつけてはいません。
きっとそれは誰にもわからないことなんでしょうね。
それが真実。
そこを描くのではなく、彼女の弁護士となったエイキンを中心に進む、法廷劇でした。
エイキンは、当初勝ち目がない裁判が嫌で、
彼女の有罪を立証できたら弁護士を降りてもいい、という約束を取り付けたことで、
メアリーと向き合いだします。
 
共謀の証拠をひとつずつ潰していく根気のいる作業は、本当に見応えがあり、
その結果、エイメンがメアリーに同調していく様子も引きつけられました。
 
あなたのほうが本当の息子のようだ
と、のちにメアリーの息子がエイキンに言うんだけど、
そのくらいのめり込んでいたようでした。
 
絞首刑を回避することができなかったとき、エイキンは何を感じたのか。
それは、彼がその後、弁護士を辞めたことが答えなのかもしれません。
 
エイキンを演じたジェームズ・マカヴォイ
派手さはないけど、渋い良い役者さんになりましたね。
これからも目が離せない俳優さんの一人です。
 
そしてレッドフォード監督。
イーストウッド監督と同じように、心に響く作品を作りますよね。
こちらも目が離せません。
 
さてさて、スピルバーグ監督の【リンカーン】が楽しみになりました。
早く観たいぞ(^^)