恋のロンドン狂騒曲

 「ミッドナイト・イン・パリ」で大ヒットを飛ばしたウディ・アレン監督がその前年にロンドンで撮り上げたオールスター・キャストの群像コメディ。40年間連れ添った老夫婦とその娘夫婦という2組の男女が、それぞれに結婚生活の破綻を迎えた中で光を求めてすがった新しい恋に振り回される姿を、シニカルな眼差しでコミカルに描く。出演はアンソニー・ホプキンスナオミ・ワッツジョシュ・ブローリン、ジェマ・ジョーンズ、アントニオ・バンデラスフリーダ・ピント
ある日突然アンチエイジングに目覚めたアルフィは、40年連れ添った妻ヘレナを捨てて金髪のコールガールに入れ上げる。ショックのヘレナは自殺未遂騒ぎを起こした末、怪しげな占い師にハマってしまう。一方、彼らの一人娘サリーは、処女小説を当てて以降万年スランプの夫ロイに愛想を尽かしていた。そんな中、ギャラリーで働き始めた彼女は、セクシーでモテモテなオーナー、グレッグの虜になってしまう。そして一人自宅で過ごすロイもまた、向かいのアパートに越してきたエキゾチックな美女ディアに夢中になっていくのだが…。<allcinema>
2010年 原題:YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER 上映時間:98分 製作国:アメリカ/スペイン
監督:ウディ・アレン
製作:レッティ・アロンソン スティーヴン・テネンバウム ジャウマ・ロウレス
製作総指揮:ハビエル・メンデス                      イメージ 1撮影:ヴィルモス・ジグモンド                        脚本:ウディ・アレン  
プロダクションデザイン:ジム・クレイ
衣装デザイン:ベアトリクス・アルナ・パーストル
編集:アリサ・レプセルター
ナレーター:ザック・オース
出演:アントニオ・バンデラス  グレッグ                     ロジャー・アシュトン=グリフィス  ジョナサン              ジョシュ・ブローリン  ロイ                         ポーリーン・コリンズ  クリスタル                     アンソニー・ホプキンス  アルフィ                     ジェマ・ジョーンズ  ヘレナ                         フリーダ・ピント  ディア                           ルーシー・パンチ  シャーメイン                      ナオミ・ワッツ  サリー                            アンナ・フリエル  アイリス                                                   ユエン・ブレムナー  ヘンリー

ウディ・アレン監督作品というのは、相性が良かったり悪かったりとどうも難しい。
ミッドナイト・イン・パリ】は良かったんです。
けど、今回は何とも言い難い…。

人間の滑稽さというか馬鹿さ加減というか…。
決して悪い意味ではないんだけど、愚かさを見せられるようで痛い。

突如若い頃の自分を取り戻そうと、妻と離婚してアンチエイジングに励むアルフィ。
精力剤を飲んでまで手に入れたのは、若い娼婦。
全財産をつぎ込む勢いで、その娼婦に入れ込んでしまう。
恋は盲目とは言うけど、ここまで盲目になれるものなんでしょうか…。

アルフィの妻は、離婚が原因でインチキ占い師に入れ込んで
前世だのあの世だの、得体のしれない世界に没頭してしまう有様。

ふたりの娘サリーの夫は、
処女作のヒット以来作品が書けず、執筆活動よりも向かいの部屋の若い女性にちょっかいを出すうちに、
どんどんのめり込んでいってしまう有様。
サリーも職場の上司に恋をして、
この夫婦も危機的状況…。

この世代の違う二組の夫婦のドタバタ劇です。

年老いた夫婦の、残された時間を有意義に使いたいという思いも分かる。
結婚生活に新鮮味が欠如する夫婦の気持ちも分かる。
いくつになってもときめいていたいんだよな。
というのは分かるけど、
個人的には、その姿をコメディとして笑って観ることはできませんでした。

みんな危うくて、
そっちへ行っちゃだめじゃん!
という方向へ進んでいくんですよ。

特に、サリーの夫は、友人の作品を盗作しようとするんだけど、
事故で死んだと思っていたその友人は、実は生きていた、というオチは笑えない状況に…。

もやもやしながら観てしまったけど、
きっとご本人たちは至って真面目なんだろうな、という狂騒曲なのです。

人生って、はたから見れば滑稽なものなのかもしれませんね。