インポッシブル

 2004年のスマトラ島沖地震による大津波で被災したあるヨーロッパ人家族を巡る奇跡の物語を、「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ監督が完全映画化した感動のトゥルー・ストーリー。津波に呑み込まれ、家族がバラバラになりながらも再会を信じて懸命に生き抜き、諦めることなくお互いを探し続ける姿を通して、家族の愛と絆を力強く描き出す。出演は「ゴーストライター」のユアン・マクレガー、「フェア・ゲーム」のナオミ・ワッツ、本作がスクリーン・デビューのトム・ホランド
2004年12月。イギリス人夫婦マリアとヘンリーは、3人の息子たちとともにタイのリゾート地を訪れ、バカンスを楽しんでいた。ところがクリスマスの翌日、スマトラ島沖で巨大地震が発生、一家を津波の濁流が襲う。一緒に流されたマリアと長男ルーカスは辛うじて生き延びるが、大ケガを負ったマリアは歩くこともできず、地元の人の助けでどうにか病院に搬送される。しかしそこは、遺体と重傷患者であふれかえり、手当もままならない状態だった。一方、下の息子2人ともども瓦礫の山と化したホテルで九死に一生を得たヘンリー。彼は息子たちを高台へと避難させると自分は一人残り、行方不明となったマリアとルーカスを見つけるため、ホテル周辺を探し回るのだったが…。<allcinema>

2012年 原題:THE IMPOSSIBLE LO IMPOSIBLEイメージ 1上映時間:114分 製作国:スペイン/アメリ
生きる希望は、奪えない。
監督:J・A・バヨナ
製作:ベレン・アティエンサ アルバロ・アウグスティン エンリケ・ロペス=ラビニュ ジスラン・バロワ
製作総指揮:サンドラ・エルミーダ ハビエル・ウガルテ
原案:マリア・ベロ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
撮影:オスカル・ファウラ
美術:エウヘニオ・カバイェーロ
編集:エレーナ・ルイス ベルナ・ビラプラーナ
音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:
ユアン・マクレガー ヘンリー
ナオミ・ワッツ マリア
トム・ホランド ルーカス
ジェラルディン・チャップリン 老婆
●サミュエル・ジョスリン トマス
●オークリー・ペンダーガスト サイモン

公開時、興味があったにもかかわらず、近くで上映されなくて観られませんでした。
良い映画でも、集客が見込めないとシネコンでは掛からない。
地方の悲しさですね。

津波というと【ヒア アフター】を思い出すんですが、
こちらは実話ベースということで、ぜんぜん別物です。

物語は至ってシンプル。
イギリス人夫妻が子どもたちと一緒にバカンスで訪れたタイで、
スマトラ沖地震の大津波で被災。
そのシーンは胸が詰まるほどの迫力です。

母親のマリアと長男とルーカスが一緒に流され、辛うじて助かったものの、
マリアは大けがを負っていて、ふたりで病院に搬送されます。
凄いなあと思ったのは、マリアの気遣い。
幼い子供が泣いていれば抱き上げるし、
病院では、元気なルーカスに「周囲の力になりなさい」と言うんですよね。
キリスト教の精神なんでしょうか。
とても真似できないと感じました。

父親のヘンリーは、ふたりの弟とホテルで生き延びることができて、
必死で妻と長男を探そうとするんです。
こちらのシーンで感動的だったのは、ヘンリーに関わった人たちの姿。
携帯電話を貸す人や、付き添う人…。
東北の震災で、日本人の姿に世界中から賛辞が贈られたけど、
ここで描かれた人たちも、本当に思いやりのある人たちでした。

もし自分がこの立場だったら、
こんな風に他人に手を差し伸べることができるのか、
考えずにはいられませんでした。

困難な状況でも、決して諦めずに生き抜いた家族の物語なのかもしれないけど、
そういう部分より、人としてどうあるべきかを考えた作品でした。

安定した演技で違和感なく見せてくれますけど、三人の子どもたちが見事です!
どこの国でも、子役は本当に素晴らしいですね。