ウォールフラワー (2012)

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 スティーヴン・チョボスキーの同名ベストセラー・ヤングアダルト小説を原作者自らメガフォンを取り、主演に「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマンを迎えて映画化した感動の青春ドラマ。周囲に馴染めず無為な日々を送る内気な高校生の惨めだった青春が、一組の兄妹との出会いをきっかけに輝き始めるさまとそのほろ苦い顛末を瑞々しく綴る。共演は「ハリー・ポッター」シリーズ卒業後、最初の大きな役として注目されたエマ・ワトソンと「少年は残酷な弓を射る」のエズラ・ミラー
内気な少年チャーリーは、高校デビューにみごとに失敗し、友だちの出来ないまま、息をひそめるように灰色の学園生活を送るハメに。当然のようにパーティ会場でもたった一人で壁際に佇み“壁の花”状態だった。そんなある日、彼は勇気を振り絞り、フットボールの観客席で隣に座る陽気な上級生パトリックに声を掛けてみる。すると意外にもパトリックは気さくに接してくれ、奔放な恋愛を重ねる義理の妹サムも紹介する。こうして彼らの仲間に迎えられたチャーリーは、それまでとは見違えるように充実した高校生活を送るようになるのだったが…。<allcinema>

2012年 原題:THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER
上映時間:103分 製作国:アメリ
さよなら、壁際の僕。
監督:スティーヴン・チョボスキー
製作:リアンヌ・ハルフォン ラッセル・スミス ジョン・マルコヴィッチ
製作総指揮:ジェームズ・パワーズ スティーヴン・チョボスキー
原作:スティーヴン・チョボスキー 『ウォールフラワー』(アーティストハウス刊/集英社文庫刊)
脚本:スティーヴン・チョボスキー
撮影:アンドリュー・ダン
プロダクションデザイン:インバル・ワインバーグ
衣装デザイン:デヴィッド・C・ロビンソン
編集:メアリー・ジョー・マーキー
音楽:マイケル・ブルック
音楽監修:アレクサンドラ・パットサヴァス
出演:
ローガン・ラーマン チャーリー
エマ・ワトソン サム
エズラ・ミラー パトリック
●メイ・ホイットマン メアリー・エリザベス
●ジョニー・シモンズ ブラッド
ケイト・ウォルシュ  ディラン・マクダーモット  ジョーン・キューザック
ポール・ラッド  ミスター・アンダーソン
評判が良かったのに、福岡では一館しか上映がなくて観るのを断念してたら、
近くのユナイテッドシネマで遅れて上映があるというので、出かけてきました。
ユナイテッドの更新時の千円観賞券もあったし(^^)v

主演のローガン・ラーマン知らないな~と思って検索したら、
あら、【三銃士】やら【パーシー・ジャクソン】やら、観てたわ…^^;
そう言われればそんな気もするけど、
一致しないのは、なんとも頼りなげな男子を演じているせいもありそう。

高校生になったチャーリー少年は、友達がいない、というか作れないみたい。
だからと言って決して暗いわけでも、引っ込み思案なわけでもない。
声をかけるけど、気にしてもらえない、仲間に入れてもらえないタイプの少年。
その理由が何なのか。
奥歯にものが挟まったような状態がずっと後まで続きます。

時代設定は、現代ではないみたい。
スマホはおろか携帯電話もないし、パソコンじゃなくてタイプライターだもん。
思いっきり懐かしかったのは、
カセットテープにお気に入りの曲やメッセージを吹き込んで、彼氏や彼女に送ったりするところ。
気恥ずかしい…^^;

だから、ネットでの煩わしい人間関係はなくて、
どちらかというと直接あたって砕けたり、肩を抱き合って喜んだり、
生身の人間同士の関係を感じて、
それはそれで、物凄くパワーもいるし苦労も多い時代だったのよね、と思ったりします。
今時の少年少女は、こういう作品を観て、どんな風に感じるんだろうね。

と、そういう感傷に浸る作品ではなくて…。

チャーリーや、彼を受け入れてくれた、サムとパトリック兄妹の抱えている問題とか、
…それはちょっとやり過ぎかもしれないけど…
その年にしては重い荷物を背負う、10代の若者たちの痛みが描かれています。

高校入学、卒業という1年間に体験する学校生活は、
日本のそれとは異なっているけど、違和感を感じることはなくて、
心に傷を持つ若者たちの等身大の姿が瑞々しくて、
かといって、決しておとな目線にならずに観られました。

個人的には【ハリーポッターシリーズ】のイメージからら抜けてると思いますね。
今回のサム役。ほんとによかった。
パトリック役は【少年は残酷な弓を射る】のエイズ・ミラー
弾けた役で、こちらも良かったです。
ふたりとも、いや三人とも上手い。

サムやパトリックたちが卒業しても、
目標が明確になったチャーリーは、もうウォールフラワーにはならないだろうし、
心の傷を昇華して歩んでいくんだろうな。

サムが、ピックアップの荷台で大きく体を広げながら風を感じるシーンがあって、
ラストにそれが繋がっているのが印象的でした。
ここでのキスシーンは、個人的に名シーンだと思います(^^)

他にもいろいろ印象的なシーンが多くて、
ストーリーと映像と、ほんとにステキな作品でした。