ウォルト・ディズニーの約束 (2013)

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 ウォルト・ディズニー製作の名作ミュージカル・ファンタジーメリー・ポピンズ」の誕生秘話をトム・ハンクスエマ・トンプソンの主演で映画化した感動ドラマ。世界的ベストセラー・ファンタジーメリー・ポピンズ』の映画化に情熱を燃やすウォルト・ディズニーが、頑固な原作者P・L・トラヴァースから許諾を得るまでの悪戦苦闘の道のりを、原作に秘められた彼女の幼少期の物語を織り交ぜ描き出す。監督は「オールド・ルーキー」「しあわせの隠れ場所」のジョン・リー・ハンコック
 1961年、ロサンジェルス。ハリウッドを代表する大物映画プロデューサー、ウォルト・ディズニーには、娘との約束でもある20年来の悲願があった。それは、彼女の愛読書『メリー・ポピンズ』を映画化するというもの。しかしウォルトの再三の懇願にもかかわらず、いまだ原作者のP・L・トラヴァースから許可を得られずにいた。そんな中、ようやく映画化についての話し合いが実現することになり、トラヴァースがロンドンからやって来る。さっそく最大限のもてなしで彼女を迎えようとするウォルトだったが、お堅い英国淑女トラヴァースの心を掴むことに苦心する。おまけに、アニメもミュージカルも拒否された上、内容にもことごとく難癖をつけられるなど、頑なな彼女にすっかり手を焼き、一向に了解を取り付けられないウォルトだったが…。<allcinema>
2013年 原題:SAVING MR. BANKS 上映時間:126分 製作国:アメリ
夢と魔法だけでは 作れない映画がある――。
監督:ジョン・リー・ハンコック
製作:アリソン・オーウェン イアン・コリー フィリップ・ステュアー
脚本:ケリー・マーセル スー・スミス
撮影:ジョン・シュワルツマン
プロダクションデザイン:マイケル・コレンブリス
衣装デザイン:ダニエル・オーランディ
編集:マーク・リヴォルシー
音楽:トーマス・ニューマン
出演:
エマ・トンプソン P.L.トラヴァース
トム・ハンクス ウォルト・ディズニー
ポール・ジアマッティ ラルフ
ジェイソン・シュワルツマン リチャード・シャーマン
ブラッドリー・ウィットフォード ドン・ダグラディ
●ルース・ウィルソン マーガレット・ゴフ
●B・J・ノヴァク ロバート・シャーマン
メラニー・パクソン ドリー
●アニー・ローズ・バックリー ギンティ

時間が空いてしまって、ならば映画でも観よう!と時間チェック。
特に観たいと言う願望が強いわけではなかったけど、
TOHOのポイント観賞なのでまあいいかと…^^; 

ウォルト・ディズニーの話ではありません。
かの有名な「メリー・ポピンズ」の制作秘話なのです。

制作権を手に入れるために、すでに20年を費やしているウォルトに対して、
原作者のミス・トラヴァースの頑固さ、いやそれ以上の偏屈さに、
観ていてテンションが下がりまくってました。

何かあるんだとは思ってみても、
トラヴァースを優しい気持ちで見守ることができない…。
そのくらい、全てにNO!と付きつけてきます。

並行してトラヴァースの過去が描かれています。
「そこに何かある」わけで、そこに辿り着くのと、
メリー・ポピンズ」の映画の完成とがうまく重なっていく脚本が見事でした。
つまり、なぜ頑固にこだわり続けるのか、
種明かしされた時が、映画の完成だったわけで、
プレミア試写会のトラヴァースと一緒に、泣いてしまいました。

トラヴァースがこだわった父親。
アル中になって仕事もできないダメな夫だけど、
トラヴァースにとっては大好きで大事な父親だったんです。
その父親との思い出が詰まった「メリー・ポピンズ」を
単なる金もうけとして手放すことができなかった。

ただの偏屈なおばさんじゃないんだよ、というシーンはいくつもあって、
ホテルのラウンジのシーンや、
ミッキーのぬいぐるみのシーン。
そして極めつけは、運転手とのやり取り。

単なる運転手にポール・ジアマッティ
と思ったけど、とても重要な役でした。
なんということのない会話の繰り返しに、彼の背景が描かれていて、
彼とトラヴァースの結びつきが印象的でした。

エマ・トンプソントム・ハンクスはもちろんだけど、
自立した大人になれなれず、アルコールに頼って身を滅ぼしてしまう、
トラヴァースの父親を演じたコリン・ファースが良かったです。

そしてもう一人。
トラヴァースの子どもの頃を演じたアニー・ローズ・バックリー
とても印象的に演じていました。
綺麗だな~って思ってしまうほどの美少女でした。


正面切って過去と向き合うのは辛い。
自分のせいで…と思うことがあれば尚更です。
でも、だからといって、他人をも拒絶しなくてもいいんじゃないかな。
それは、人生の楽しみが半減すると思うから。
見極めて、自分の想いを受け止める人と一緒に
人生を歩んでいけたら、それがしあわせなんじゃなかろうか。

ちょっと地味だけど、ほっこりする作品でした。