ハンナ・アーレント (2012)

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 ホロコーストを生き延びたユダヤ人哲学者ハンナ・アーレント。1960年代初頭、彼女は何百万人ものユダヤ人の収容所移送を指揮したナチスの重要戦犯アドルフ・アイヒマンの裁判に立ち会い、その傍聴記を発表する。しかしアイヒマンを、思考することを放棄して命令に従っただけの凡庸な小役人と評し、さらにユダヤ自治組織の指導者がアイヒマンに協力していたことにも言及したレポート『イェルサレムアイヒマン』は、ユダヤ人社会からの激しいバッシングに晒される。本作は、そんなアーレントの孤高の戦いを通して、その波乱の人生と彼女が訴え続けた信念に迫る伝記ドラマ。主演は「ローザ・ルクセンブルグ」のバルバラ・スコヴァ。監督も同じく「ローザ・ルクセンブルグ」のマルガレーテ・フォン・トロッタ。<allcinema>
2012年 原題:HANNAH ARENDT 上映時間:114分 製作国:ドイツ
監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ
製作:ベティーナ・ブロケンパー ヨハネス・レクシン
脚本:パム・カッツ マルガレーテ・フォン・トロッタ
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
編集:ベッティナ・ボーラー
音楽:アンドレ・メルゲンターラー
出演:
バルバラ・スコヴァ ハンナ・アーレント
アクセル・ミルベルク ハインリヒ・ブリュッヒャー
ジャネット・マクティア メアリー・マッカーシー
ユリア・イェンチ ロッテ・ケーラー
ウルリッヒ・ヌーテン ハンス・ヨナス
ミヒャエル・デーゲン クルト・ブルーメンフェルト
最近お気に入りの映画館があります。
田舎の(失礼!)シネコンにしては、マニアックな作品がかかります。
それも、ちょっと遅れて…。
劇場観賞を諦めていると、公開予定作品にアップされていることがあって
それはもう、喜んじゃいます。

今回も諦めていた作品です。


哲学者という人種に縁がなく、こういう人がいたことは知りません。
ナチスドイツ、ユダヤ人、ホロコースト、というキーワードで
観賞を決めた作品です。

最初は、ハンナの人となりを描いているだけで物語の核心には程遠く、
難しい単語が並ぶ字幕を読むのも、面倒になりかけていました。

確かにユダヤ人として苦労はしたけど、
今は夫と大学教授と言う職があって、友人もいて、
普通の暮らしをする女性だと言うことを描いているのだと感じます。
とにかく夫と仲がいいんです。
忙しくても朝のキスをして送り出す。
夫がいたから抑留から逃れることができた。
そういう支え合い信頼する人がそばにいる。

そんな彼女が取り組み続けた「悪」

ここで文章として書けるほど、理解したわけではなく…。
観終わってぼんやりとしていたことを、
ネットでレビューを検索して納得した次第です^^;

「根源的悪」とは、いわゆる性悪な悪人が自己満足的に行う非道徳・非合法行為。
「凡庸の悪」とは、普通の人が周囲や上司・上官・上長の命令に対して、
事の善悪を判断するという思考を停止し、盲従してしまう行為。
ハンナ・アーレントという1人の女性哲学者が世に訴えたかった事の本質は、
誰でもアイヒマンになる可能性があるのだという潜在性を自覚し、
もしそうなりかけたら、良識ある人間として、自分の行為が正しいかどうか、
上の機嫌を取る、保身に汲々としたイエスマンになっていないか
『自分に問いかけて』という事ではないでしょうか。

という文章がしっくりきました。


ハンナが沈黙を破って行う講義は、見応えがありました。

身近なことでも、常に善悪に敏感でありたい。
と言うことも思ったけど、
もっと庶民レベルだと、二日続けて観たこの作品のハンナと
ウォルト・ディズニーの約束】のパメラがダブって見えた箇所がありました。
友人は自分で選ぶものだということ。
どんなに非難されようと、自分を理解してくれる人がいれば乗り越えることができる。
助言してくれる人がいれば、道を間違えずに済む。
ということでした。

良い友人を愛していたいですね。

そのハンナの友人メアリーを演じたジャネット・マクティア
なんで検索してるのかな?と思ったら
なんと【アルバート氏の人生】に男装の女性を演じた女優さんでした!
いや~!びっくり!
今回は紛れもなく女性役でした(^^)