アルバート氏の人生

 大女優グレン・クローズがかつてオフ・ブロードウェイで主演した舞台を、自らの脚本、製作、主演で映画化した感動ドラマ。19世紀のアイルランドを舞台に、一人で生計を立てるために男性として生きざるを得なかった孤独な女性の苦悩と哀しみを切ないタッチで綴る。共演はミア・ワシコウスカアーロン・ジョンソンジャネット・マクティア。監督は「彼女を見ればわかること」「愛する人」のロドリゴ・ガルシア
19世紀のアイルランド。長年モリソンズホテルで働くアルバート氏は、常連客からの信頼も厚い優秀なベテラン・ウェイター。しかし私生活では人付き合いを避け、固い殻に閉じこもった孤独な生活を送っていた。なぜなら、アルバート氏は女性だったのだ。男を装うことは、孤児だった彼女が貧しさから抜け出す唯一の道だった。そんなある日、自分らしく生きるヒューバートと出会い、自分を偽り続けてきた彼女の心に大きな変化が訪れるのだが…。<allcinema>

2011年 原題:ALBERT NOBBS 上映時間:113分 製作国:アイルランド
監督:ロドリゴ・ガルシア
製作:グレン・クローズ ボニー・カーティス ジュリー・リン アラン・モロニー
原作:ジョージ・ムーア               
イメージ 1脚本:ガブリエラ・プレコップ ジョン・バンヴィル グレン・クローズ
撮影:マイケル・マクドノー
プロダクションデザイン:パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
衣装デザイン:ピエール=イヴ・ゲロー
編集:スティーヴン・ワイズバーグ
音楽:ブライアン・バーン
出演:
グレン・クローズアルバート・ノッブス
ミア・ワシコウスカ/ヘレン・ドウズ
アーロン・ジョンソン/ジョー・マキンス
ジャネット・マクティア/ヒューバート・ペイジ
ブレンダン・グリーソン/ホロラン医師
ジョナサン・リス・マイヤーズ/ヤレル子爵
ポーリーン・コリンズ/ベイカー夫人
ブロナー・ギャラガー/キャスリーン
ブレンダ・フリッカー/ポーリー

こういう作品は、シネコンではかかりません。
レンタル開始を楽しみに待ってました。

グレン・グローズは、女性だと分かっているからそう見えますけど、
立ち居振る舞いともに、男性です。
アルバートは、そうやって自分を殺して生きてきたんです。

女性が一人で生きていくのは難しい時代。
アルバートが選んだのは、男性として生きていくこと。
それがどれほど過酷だったことか。
素性がばれないようにするには、視線を落とし、人目につかないように生きていく。
コツコツとお金を貯めて、いつか自分の店を持ちたい。
それだけを夢見て生きてきたわけです。
過酷だったけど、もしかしたら一筋の光もあったかもしれないと思わせます。

そんなときに、アルバートの前にふたりの女性が現れます。
アルバートと同じように、男装した女性のヒューバート。
彼?彼女は女性と結婚もしていました。
ヒューバートに興味を持ち、彼女の生き方に憧れたのかな。

もうひとりは年若いウエイトレスのヘレン。
ヘレンと一緒になって店を持とうとするんですけど、
本当にヘレンを愛していたのか、その辺りはよく掴めませんでした。
ヒューバートのように結婚したいと思ったのか、
そこにたまたま若く美しいヘレンがいたからそう思ったのか、
ヘレンが悪い男に騙されていると思ったから助けたかったのか。

アルバート自身の言葉で語られていないので、
いろんなことを考えてしまいました。

生きるために鎧をまとったアルバートには
自分自身のことさえ見えなくなってしまっていたのかもしれない。
そんな風にも感じました。

しあわせな人生だったのか。