ケープタウン (2013)

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 南アフリカで繰り広げられる非情な犯罪組織と刑事たちの緊迫の攻防を、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのオーランド・ブルーム主演で描くサスペンス・アクション。共演は「ラストキング・オブ・スコットランド」「大統領の執事の涙」のフォレスト・ウィテカー。監督は「アントニー・ジマー」「ラルゴ・ウィンチ」のジェローム・サル。
 南アフリカケープタウン。ある日、元人気ラグビー選手の娘ニコールの惨殺死体が発見される。捜査の指揮に当たるのはズールー族出身の刑事アリ・ソケーラ。彼が率いる捜査チームには、私生活に問題を抱えた白人刑事ブライアン・エプキンがいた。酒と女に溺れ、妻にも見捨てられた彼だったが、刑事としてはアリがもっとも信頼を置く部下だった。やがて捜査を進める2人の前には、最新の銃器で武装した凶暴なギャングが立ちはだかる。さらに、事件の背後に潜む麻薬を巡る想像を絶する深い闇が次第に明らかとなってくるが…。<allcinema>
2013年 原題:ZULU 上映時間:107分 製作国:フランス/南アフリカ
そこは、神に見捨てられた街――
監督:ジェローム・サル
製作:リシャール・グランピエール
原作:キャリル・フェレ
脚本:ジュリアン・ラプノー ジェローム・サル
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:
オーランド・ブルーム/ブライアン・エプキン
フォレスト・ウィテカー/アリ・ソケーラ
コンラッド・ケンプ/ダン・フレッチャ
ジョエル・カイエンベ/ジー
レビューを書こうと思って気がついた。
これ、フランス映画なのね…^^;
なるほど。
そう言われてみれば、昨今のハリウッド作品とはちょっと趣が違うかも。

全編にわたって暴力シーンはかなり過激。
R15指定は納得だけど、暴力シーンだけではない気がしますね。

薬の害がR15のもう一つの理由でしょうが、これが凄い。
服用した量によって症状が変わる。
その為に子どもで人体実験をする。
そしてその薬で儲けようとする輩がいる。
サスペンスというより社会派の印象が強い内容です。
治安の悪さ、命の価値の低さなどは、南アの事情が分かっていないと掴みにくいけれど、
根底にはやはり、人種差別があると思われます。

主役は二人の刑事は、決してハリウッド的なヒーローではありません。
黒人で警部になったアリ。
飲んだくれで女好きのブライアン。
ふたりの抱えた過去は後に明かされますが、
そういう事情が、少しずつインサートされていて、
その人間模様がドラマを構築していきます。

出てくる人がみんな事件に絡んでくるのは、お見事な展開です。

オーリーは、透明感あるエルフ役の印象が強くて、
観る側にも、そういう役を期待してる感じがありましたよね~。
でも、今回は髪はぼさぼさで髭もじゃという風貌で、飲んだくれのやさぐれ刑事役。
ダメな父親、かっこ悪い元亭主。
まあね、そうはいってもカッコいいんだけど…^^;
これからもっと、役の幅を広げていけると期待したいですね。

厭味なコメントするなら、
結局はカッコいい役どころで締めくくるんだけどね~。

もうひとりの刑事役はフォレスト・ウィテカー
安定感ありました。


最終的に刑事としての立場を貫いたブライアンの、
プライベートがどうなったかは一切描かれていなくて、
そういう甘い部分を切り捨てたラストも、潔いです。

万人にオススメはできないけど、見応えある作品です。