サンバ (2014)

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 「最強のふたり」のオリヴィエ・ナカシュエリック・トレダノ監督が、同作のオマール・シーを再び主演に迎えて贈るコメディ・ドラマ。フランスで真面目に働きながらも国外退去の窮地に陥ってしまった移民青年サンバを主人公に、彼と彼を支援しようと集まった人々が織り成す心温まる人間模様を綴る。共演はシャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、イジア・イジュラン。
セネガルからフランスに出稼ぎに来て10年になる陽気で真面目な青年サンバ。ビザの更新をうっかり忘れてしまったばかりに、いきなり国外退去を命じられてしまう。窮地に陥ったサンバを救おうと、移民支援協会のアリスが尽力する。ところが、彼女は燃え尽き症候群に陥り大企業を休職中の身で、心に大きな傷を抱えていた。そんな中、正規の仕事に就けず、危険な日雇い仕事で食いつないでいくサンバは、同じ移民仲間のブラジル人ウィルソンと友情を育んでいく。やがて、どんな苦境にあっても笑顔を忘れないサンバの明るさが、情緒不安定だったアリスの心も少しずつ癒していくが…。<allcinema>
2014年 原題:SAMBA 上映時間:119分 製作国:フランス
監督:エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ
原作:デルフィーヌ・クラン
脚本:エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ デルフィーヌ・クラン ミュリエル・クラン
撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ
編集:ドリアン・リガール=アンスー
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ
出演:
オマール・シー サンバ
シャルロット・ゲンズブール アリス
タハール・ラヒム ウィルソン
イジア・イジュラン マニュ

職場の映画好きが集まった「シネマ部」の新年会で観賞。
部長さんのチョイスです。
観たかったけど、近くの劇場で掛かってなくて諦めてたからラッキーと(^^)v

日本でも、あと10年とか20年とかすると、
外国人からの出稼ぎが増えて、
似たようなことが起こってるのかも、なんて思ったり、
今の日本では考えられないようなことが、フランスでは起こっているんだなと、
遠い国に思いを巡らしたり…。

サンバとは主人公の名前。
でも、
働くために身分証を偽造して、どんどん名前が変わっていきます。
故郷で送金を待つ家族のために、サンバはどうしても働かなくてはいけない。
国外退去なんてもっての外。
窮地に陥ったサンバがどうするか、というお話です。

そこに心を病んだアリスが絡み、ロマンスも織り交ぜることで
重いテーマに花を添えます。
と言っても、ふたりは男と女と言うより、
互いの存在に救われて行く、という同士みたいな関係でした。
アリスはいろいろ期待してたみたいだけど、
それを男女の愛情と呼ぶのか、人間愛と呼ぶのか…。

そんなあいまいさが全編に漂っていて、恋愛ドラマではない。
かといって、これをコメディという括りにしてしまっているのもどうかと…。

不運な事故で死んでしまった友人の名前で生きていくことになって
それまでいくつも名前を変えて来たけど、
これでその必要も無くなって、サンバは新しい自分として生きていく。
それは「幸せ」なのか「安定」なのか…。

一言では言い表せられないエンディングでした。

強烈な印象を残すシーンも少ないし、
奥深いテーマに、軽いノリでは語れない作品でした。