真夜中の五分前 (2014)

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 「GO」世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲監督が上海、モーリシャスでの海外ロケを敢行し、日本、中国、台湾の人気俳優の共演で贈るミステリアス・ラブ・ストーリー。原作は本多孝好の『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow(side-A・side-B)』。出演は「君に届け」の三浦春馬、「ドラゴン・コップス -微笑(ほほえみ)捜査線-」のリウ・シーシー、「GF*BF」のチャン・シャオチュアン。
 時計修理工のリョウは、美しい女性ルオランと出会い、心惹かれる。ルオランにはルーメイという双子の妹がいて、彼女にはティエルンという婚約者がいた。ところがそのティエルンをルオランも秘かに愛しており、ルーメイに対して嫉妬心を募らせていた。リョウは、そんなルオランを優しく受け止め、少しずつ距離を縮めていく2人だったが…。<allcinema>
2014年 上映時間:129分 製作国:日本/中国
僕は美しい双子の姉に恋をした。
一年後、再び“彼女”は秘密をかかえて現れた――。

監督:行定勲
原作:本多孝好 『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow(side-A・side-B)』(新潮文庫刊刊)
脚本:堀泉杏
出演: 三浦春馬 リョウ  リウ・シーシー ルオラン/ルーメイ
チャン・シャオチュアン ティエルン
今の日本では、こういう観客に委ねるような結末を持つ作品は受けないから、
作ることができない。
というコメントを読んで、ちょっと寂しくなりました。

中合作で作られたこと、原作から変わって舞台が上海になったのは、
そんなことがあったらしいです。

確かに、観終わった時の満足度は低めです。
でも、じわっと沁みてくるし、何よりもこういう作品は、語り合いたくなります。

冒頭、幼い女の子が、洋服を変えようと双子の姉妹に言うんだけど、
それは窓ガラスを割ると言ういたずらをした後で、
洋服の色で双子を見分けていた大人に叱られる。
そんなシーンから始まりますが、これが後で大きな意味を持ってきます。

そんな双子と関わった時計修理工のリュウが、
最終的に、自分が愛したのは姉妹のどちらだったのか、というお話なんだけど、
観ている間は、姉か妹かそんなことばかり考えていたけど、
リュウ側からの視点と言うより、
姉妹側の視点に立てば、かなり切ないことなんですよね。

自分というものが無いという不安定さを感じました。
自分が何者なのか、
入れ替わることで周囲を驚かせ、それを楽しんでいる間は良かったけど、
そうすることで自分が無くなってしまったのではないか。

事故後、記憶があやふやになって余計に
どちらがどちらか分からなくなってしまいます。
もしかしたら、最初っから姉妹逆だったのか?なんて思ったり。

普通のラブストーリーではなく、
ミステリーの要素もあり、愛するとはどういうことなのか、という問いもあったり、
奥深い作品なんだけど、
起伏が少なく淡々と進むので、興味を持てなければかったるいかも。

設定は現代なんだろうけど、どこか懐かしい雰囲気を感じました。
そういう映像美も楽しめると思います。

舞台が上海なので、三浦春馬はほぼ中国語です。
それが上手なのかは分からないけど、
たどたどしさも役作りに一役買っていたと思います。
逆に、日本を舞台にしなくて良かったかも。
そんな感想の仕上がりになっています。

原作も気になりました。


2015.1.2観賞