イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 (2014)

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 第二次大戦時にドイツ軍が誇る史上最高の暗号機“エニグマ”の解読に挑み、連合軍の勝利とコンピュータの発明に貢献した実在の天才数学者アラン・チューリングの時代に翻弄された過酷な人生を映画化した感動の伝記ドラマ。天才でありながら社会性に乏しく、周囲から孤立してしまうチューリングが、彼の理解者となる女性と出会い心を通わせていく様を、エニグマ解読作業チームの奮闘を軸に、スリリングかつ感動的に描き出す。主演はTV「SHERLOCK(シャーロック)」、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」のベネディクト・カンバーバッチ、共演に「プライドと偏見」のキーラ・ナイトレイ。監督は「ヘッドハンター」で世界的に注目されたノルウェーの俊英、モルテン・ティルドゥム
 1939年。ドイツ軍と戦う連合軍にとって、敵の暗号機“エニグマ”の解読は勝利のために欠かせない最重要課題だった。しかしエニグマは、天文学的な組み合わせパターンを有しており、解読は事実上不可能といわれる史上最強の暗号機だった。そんな中、イギリスではMI6のもとにチェスのチャンピオンをはじめ様々な分野の精鋭が集められ、解読チームが組織される。その中に天才数学者アラン・チューリングの姿もあった。しかし彼は、共同作業に加わろうとせず、勝手に奇妙なマシンを作り始めてしまう。次第に孤立を深めていくチューリングだったが、クロスワードパズルの天才ジョーンがチームに加わると、彼女がチューリングの良き理解者となり、周囲との溝を埋めていく。やがて解読チームはまとまりを見せ始め、エニグマ解読まであと一歩のところまで迫っていくチューリングだったが…。<allcinema>
2014年 原題:THE IMITATION GAME 上映時間:115分 製作国:イギリス/アメリ
挑むのは、世界最強の暗号――。
英国政府が50年以上隠し続けた、天才アラン・チューリングの真実の物語。

監督:モルテン・ティルドゥム
原作:アンドリュー・ホッジェズ
脚本:グレアム・ムーア
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:
ベネディクト・カンバーバッチアラン・チューリング
キーラ・ナイトレイ/ジョーン・クラーク
マシュー・グード/ヒュー・アレグザンダー
ロリー・キニア/ロバート・ノック刑事
アレン・リーチ/ジョン・ケアンクロス
マシュー・ビアード/ピーター・ヒルトン
チャールズ・ダンス/デニストン中佐
マーク・ストロング/スチュアート・ミンギス
アカデミー賞では最優秀脚本賞を受賞。
作品賞を始め、監督、主演男優、助演女優などにノミネートされていた作品です。
見応えありました。

もっとハードな内容かと思っていたのですけど、
実はラブストーリーだったりするんですよね~。

公開前の情報として、エニグマとかアラン・チューリングを耳にした程度で、
ほぼ無知の世界です。
でも、そういう人にも分かりやすく描いています。
というか、暗号解読という部分より、
アラン・チューリングと言う人物を描いているので、すんなり入り込めます。

時系列が目まぐるしいので、こういう流れを見慣れていないと、ちょっと苦しいかも…^^;
チューリングが同性愛者として逮捕された時代を基本に、
大戦中の特殊任務の時代、チューリングの学生時代、
を行ったり来たりします。


同性愛が罪だった時代、チューリングはその罪で逮捕され、
それをきっかけに、大戦中に暗号機“エニグマ”の解読に挑んだことが解明されて行きます。
とにかく、ひとつひとつが知らない世界で面白い。
エニグマ”解読に集められた、チェスやクロスワードパズルにたけた面々。
その面々と上手くやってけないチューリングは、コミュニケーションを取ることが苦手で、
その中和剤なのが、紅一点のジョーン。
ふたりの関係も中々ユニークでした。

歴史にたら、れば、はないんでしょうが、
もしこの人が生きていれば、人類はもっと早くコンピューターを手にし、
進化していたのかもしれませんね。
天才ではあったものの、同性愛者だったせいで
後世にその偉業を語られることがなかったチューリング
彼の、学生時代の恋愛エピソードから続く
エニグマ”に名づけられたクリストファーの名前の由来には、心が揺れました。

暗号機の解読に関しては、
解読するまでももちろん面白いけど、
解読できたからそれで終わり、ではなかったんですね。
どうやって終戦まで導くか…。
なんともやりきれない事実でした。


コンピューターのアップル社のロゴの意味や、チューリングの死の真相など、
チューリングにまつわるあれこれは、観終わってネット検索で知りました。
と言うくらい、作品の影響力は大きかったですね。

そして何より、チューリングを演じたベネディクト・カンバーバッチが素晴らしかった。
主演男優賞はエディ・レッドメインに持って行かれちゃったけど、
遜色ない演技だったと思います。
観終わって数日、カンバーバッチチューリングが度々脳裏に甦って来るくらい、
インパクトのある演技でした。
紅一点のキーラ・ナイトレイは、喜怒哀楽のはっきりしたジェーンにピッタリでした。