人生スイッチ (2014)

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 本国アルゼンチンで大ヒットし、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた全6編のオムニバス・ブラック・コメディ。監督はこれが長編3作目のダミアン・ジフロン。本作はその才能に惚れ込んだペドロ&アグスティン・アルモドバル兄弟が自らプロデュースを買って出て、製作陣に名を連ねた。
 「おかえし」――仕事の依頼を受け、指定された飛行機に乗ったファッションモデル。やがて、乗客全員が彼女の元カレと関わりあることが判明するが…。「おもてなし」――郊外のレストラン。ウェイトレスの女は、客として現れた男が、父を自殺に追いやり、母を誘惑した高利貸しと気づく。怒りを募らせ、猫いらず入りの料理を出してしまうが…。「エンスト」――荒野の一本道で前をノロノロ走るオンボロ車に、追い越しざまに罵声を浴びせる新車の男。運悪くパンクに見舞われ、タイヤ交換を始めたところに、先ほどのオンボロ車が追いついてくるが…。他、ささいなきっかけで、押さえ込んでいた怒りのタガが外れてしまう人々を待ち受ける衝撃の顛末を、辛口のユーモアで繊細かつパワフルに描いた全6編を収録。<allcinema>

2014年アルゼンチン/スペイン 原題:RELATOS SALVAJES WILD TALES
上映時間:122分
監督:ダミアン・ジフロン
脚本:ダミアン・ジフロン
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
出演:
リカルド・ダリン/シモン
オスカル・マルティネス/モーリシオ
レオナルド・スバラーリャ/ディエゴ
エリカ・リバス/ロミーナ
リタ・コルテセ/料理人
フリエタ・シルベルベルグ/ウェイトレス
ダリオ・グランディネッティ/サルガード
ブラックコメディというジャンルは、どうも苦手。
笑うツボが違うと思うんですよね。
なので、あまり期待せずに鑑賞しました。

6編のオムニバス。
それぞれがどこかで繋がってる、なんてことはなく、全く個別のショートストーリーでした。


《ネタバレありです》

おかえし」
状況が飲み込めた瞬間に終わる短編です。
だから許されるけど、飛行機事故ネタは、ちと辛いですね^^;

「おもてなし」
客に恨みがあったのはウエィトレスのはずなのに、
いつの間にか料理人の方がテンションが上がって、挙句高利貸しの男を殺してしまう。
なんでそうなるの?と、まだ作品の流れが読めず、唖然としてしまいます。

「エンスト」
車ネタです。
追いかけられた方が追い詰め、追い詰めたかと思ったら…。
立場がどんどん入れ替わって、最後はどっちも死んじゃうんです。
追いかけ方も追い詰め方も壮絶で、緊迫感があります。
死人を笑っちゃいけないけど、苦笑いする死に方です。

「ヒーローになるために」
駐車違反で車をレッカーされ、そのおかげで娘の誕生日パーティに遅れてしまった父親が、
どうやら民間委託されているらしいレッカー会社や、税務署の対応の悪さに腹を立て、
最終的に自分の仕事を活かしてレッカー会社を爆発させてしまう。
スカッとする!けど、やりすぎじゃない…?^^;

「愚息」
ひき逃げした息子を庇おうとした父親が、弁護士や検事、
息子の代わりに犯人になることとになった下僕に金品をねだられ、
そうやってるうちに嫌気がさしてしまう。
結局はダメな息子を庇うことに、財産を捨てるのがばかばかしくなるわけだけど、
連行される下僕が、ひき逃げした女性の夫に切りかかられるシーンで終わるのは、
さすがに笑えない。

「ハッピーウエディング」
幸せな結婚パーティの席に、新郎が元カノを呼んだことがばれて新婦が逆上。
大騒ぎのパーティーとなるも、最後は丸く収まるという話。
こちらも、そこまでやるか~!という切れっぷり。

どれをとっても、ブラックすぎて笑えません。
いや、笑えるシーンもあるんだけど、結末に死があるのはちょっと…^^;

ラテン系のテンションの高さには、ついていけない部分もあります。
何度も観たいとは思わないけど、すごーく印象に残る作品なのは間違いありません。