ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 (2014)

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 問題児だった少年が、ひとつの出会いをきっかけに、“ボーイ・ソプラノ”としての才能を開花させ、自らの運命を切り開いていく姿を描いた感動ドラマ。出演は主人公の少年役にオーディションで選ばれた新人ギャレット・ウェアリング、その人生の師となる厳格な教師役に名優ダスティン・ホフマン。監督は「レッド・バイオリン」「シルク」のフランソワ・ジラール
 12歳の少年ステットは、母親との2人暮らし。複雑な家庭環境のせいで心が荒み、学校ではトラブルばかりを起こす問題児。せっかく彼の才能を高く買う校長が国立少年合唱団のオーディションの場を手配してくれたのに、それをドタキャンしてしまう。そんなステットのもとに、母の事故死の知らせが届く。葬儀の場で初めて顔を合わせた裕福な父親は彼を引き取ることを拒否し、代わりに多額の寄付金を用意して、国立少年合唱団の付属学校に転入させる。そこでステットを待っていたのは、クラスメイトからのいじめと、厳格で知られるベテラン教師カーヴェルの厳しい指導だったが…。<allcinema>

2014年アメリカ 原題:BOYCHOIR 上映時間 103分
限られた時間の中でも、夢の舞台を目指して――
監督:フランソワ・ジラール
脚本:ベン・リプリー
音楽:ブライアン・バーン
出演:
ギャレット・ウェアリング/ステット
ダスティン・ホフマン/カーヴェル
キャシー・ベイツ /校長
エディ・イザード /ドレイク
ケヴィン・マクヘイル/ウーリー
ジョシュ・ルーカス/ジェラルド
デブラ・ウィンガー/ミス・スティー
音楽映画は、やっぱり劇場で観たい。
ボーイソプラノの歌声は、やっぱり素晴らしかった!

落ちこぼれの少年が才能を見出され、見事に才能を開花させる話、
かと思っていたんですが、意外にもそう単純ではありませんでした。

ボーイソプラノとして歌える時間は短い。
それ以後のキャリアをどう生きていくかが大切。
だから音楽をリスペクトしない生徒…主人公のステットを認めない。

レッスンに来る生徒に対して、
ピアノが上手になることはもちろんだけど、
真摯に取り組むことや礼儀も身につけさせたいと思っているので、
ダスティン・ホフマン演じる教師の言葉は、
同じ音楽の教師として、身につまされるというか、身に染みるというか…。

ステットの身の上話に加え、いじめやそういう教師との関りとか、
歌うシーン以外も、地に足ついた話が繰り広げられます。

ラストの、難曲を歌いこなすシーンは素晴らしいに決まってる。
そこで胸が熱くなった後に、
ほかに家庭のある父親が妻とともに現れ、一緒に暮らそうというシーンは、
分かっていてもやっぱり泣けちゃいました。

勝手な父親なんだけどねえ…^^;
それでも、変声期を迎えて新しい世界に向かうステットにとっては、
支えてくれる家族ができることは、いいことなんだもんね。

ボーイソプラノとしての時期を終え、
どんなキャリアを積んでいくのか、応援したくなるラストでした。

音楽学校の校長を演じたキャシー・ベイツ
そして、ステットの才能を見出した元の学校の校長にデヴラ・ウィンガー
この二人の校長も良かったです。

音楽好きにはお勧めの1本です。