天空の蜂 (2015)

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 人気作家・東野圭吾が1995年に発表した同名ベストセラーを「20世紀少年」「SPEC」シリーズの堤幸彦監督が映画化したサスペンス・アクション大作。最新鋭の巨大ヘリコプターを乗っ取り、原子力発電所の上空でホバリングさせ、日本国民すべてを人質に取ったテロリストと、その阻止に奔走する人々の攻防をスリリングに描く。主演は江口洋介本木雅弘、共演に仲間由紀恵綾野剛國村隼柄本明
 1995年8月8日。その日、完成した最新鋭超巨大ヘリ“ビッグB”の自衛隊への引き渡しの日を迎え、開発者のヘリコプター設計士・湯原は妻子とともに式典に参加していた。すると突然、ビッグBが勝手に動き出し、息子の高彦を乗せたまま福井県にある原子力発電所“新陽”の真上でホバリングを始めた。ビッグBは、“天空の蜂”と名乗るテロリストによって遠隔操作でハイジャックされてしまったのだ。犯人は政府に対し“日本全土の原発破棄”を要求し、従わなければ、大量の爆発物を搭載したビッグBを原子炉に墜落させると宣言する。残された時間はヘリの燃料がなくなるまでのあと8時間。湯原は、同じ会社の同期で新陽を設計した三島と協力し、高彦の救出とビッグBの墜落阻止に全力を挙げるが…。<allcinema>
2015年 上映時間:139分
絶対、守り抜く――
監督:堤幸彦
原作:東野圭吾『天空の蜂』(講談社文庫刊)
脚本:楠野一郎
音楽:リチャード・プリン
音楽プロデューサー:茂木英興
主題歌:秦基博 『Q&A』
出演:
江口洋介/湯原
本木雅弘/三島
仲間由紀恵/赤嶺
綾野剛/雑賀
國村隼/中塚
柄本明/室伏
向井理/高彦(成人)
石橋蓮司/筒井
公開が迫っていたので、大急ぎで原作を読みました。
皆さんがおっしゃるように、これが20年前に描かれていたということに驚きます。
まるで、その後の震災を予期していたかのように…。

その原作を映像化するということに意味は感じますけど、
予告編で感じた違和感は、オープニングタイトルでさらに強まり、
綾野剛が演じた雑賀のシーンでは、もう笑うしかなく、
大げさに(失礼!)叫ぶ江口洋介に、
完全に娯楽作品と化してしまっていました。

オープニングタイトルの天空の蜂の大文字はまるで漫画みたいだし、
雑賀は確かに元自衛隊員で体力はあるでしょうけど、警官との攻防はやりすぎでは?

もっと静かに描いた方が、不気味さが増して良かったのではないかと思い、
やはり原作は超えられないかと残念でした。

使用済み燃料プールにヘリが落ちたらどうなるのか、
確率は少ないがゼロではない。
原作からの抜粋ですが、そういうことを原作者が20年前に感じていた。
電力発電が止まり、国内で節電でエアコンが止まるシーンも、
まるで今書かれたかのような錯覚に陥る。

原子炉の存在を忘れてはらない。
沈黙する群衆と言われている私たち。
原子炉が再稼働するニュースが飛び交う今、もう一度考える必要があるのだと、
そういうことを感じるには、やはり原作を読んでほしいと思います。

出演者は達者な人たちばかりで、見ごたえはあるんだけど、
ちょっと苦手なメンツもあり…(+_+)
深刻な内容なのに、漫画チックなんだもん…(個人的な見解ですのであしからず)

結局は、超巨大ヘリからの子供の救出がメインで、
原子炉の話は付け足しだったのかしら、なんて思ってしまったのでした。

でも、これってYahoo!映画ではそれなりの評価なんですよね…。