フランス組曲 (2014)

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 1942年にアウシュヴィッツで亡くなったフランスの人気作家イレーヌ・ネミロフスキーが、極限状況下で書きつづった遺作が60年以上を経た2004年に出版され世界的ベストセラーとなった。本作はその小説を映画化したヒューマン・ドラマ。ドイツ占領下のフランスの田舎町を舞台に、夫の帰還を待つ身でありながら、駐留ドイツ軍中尉と禁断の恋に落ちたフランス人女性の運命を描く。主演は「ブルーバレンタイン」「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ、共演にクリスティン・スコット・トーマスマティアス・スーナールツ。監督は「ある公爵夫人の生涯」のソウル・ディブ。
 1940年6月。フランスはドイツの猛攻に屈服し、支配下に置かれる。フランス中部の田舎町ビュシーには、パリからの避難民が続々とやって来ていた。大きな屋敷に暮らすリュシルは、戦地に行った夫の帰りを待ちながら、厳格な義母と2人きりの息詰まる日々を送っていた。やがてドイツ軍の駐留が始まり、リュシルの屋敷にはドイツ軍中尉ブルーノが滞在することに。意外なことに彼はピアノを見つけると、未完だという自作の曲を毎日のように弾き始める。紳士的で音楽を愛するブルーノに、いつしか心惹かれていくリュシルだったが…。<allcinema>

2014年 原題:SUITE FRANCAISE 上映時間:107分 製作国:イギリス/フランス/ベルギー
その旋律は あなたのもとへと連れ戻す
監督:ソウル・ディブ
原作:イレーヌ・ネミロフスキー 『フランス組曲』(白水社刊)
脚本:ソウル・ディブ マット・シャルマン
音楽:ラエル・ジョーンズ
出演:
ミシェル・ウィリアムズ/リュシル・アンジェリエ
クリスティン・スコット・トーマス/アンジェリエ夫人
マティアス・スーナールツ/ブルーノ・フォン・ファルク中尉
サム・ライリー/ブノワ・ラバリ
ルース・ウィルソン/マドレーヌ・ラバリ
マーゴット・ロビーセリーヌ・ジョゼフ
ランベール・ウィルソン/モンモール子爵
トム・シリング/クルト・ボネ中尉
観ようかどうしようか悩んで、一度は諦めたんですが、
たまたま時間が合って滑り込みました。
いや~~、観てよかったです!
感動しました…!

戦時下のフランスの田舎町。
ドイツの支配下に置かれ、生活が一変した町に暮らすリュシルという女性が、
ドイツ将校のブルーノと、ピアノという共通点から惹かれ合い、別れていく話です。

その中に、リュシルの嫁としての立場とか、姑との関係の変化とか、
戦時下でなくても成り立ちそうなエピソードもありますけど、
その時代ならではの、レジスタンスとの関りも重要なエピソードだし、
単なる男と女の不倫話にとどまらないのは、やはり戦争という時代背景があります。

敵国の将校とはいえ、ピアノを弾き、軍人らしからぬ立ち居振る舞いに、
新婚早々出征した夫を持つリュシルとしてみれば、ときめかないはずはないですよね。
互いに惹かれつつも、敵国人としてその運命が重なるはずがない。
だからこそ燃え上がるのかもしれない。

原作もので、ここまでよくまとめているのは脚本の力ですかね。
完結していない物語らしいので、原作者がどんな結末を持っていたか、
そこを観ることができないのは残念でなりません。

ラスト、レジスタンスとともにパリへ立つシーンは、
ちょっと安易な展開になって残念ですけど、
リュシルの強い思いがそうさせたと思わずにはいられません。

フランスの田舎の風景や、館の内装など、映像も美しいです。

それぞれの立場をきっちり演じていましたね。
それから、ドイツ将校ブルーノを演じたマティアス・スーナールツ
あら、良い男じゃない(^^)なんて思ってたんですが、
【君と歩く世界】のシングルファーザー役だったんですね~。
ひげ面だったし、全然違う役柄にびっくりです。
今後の動向に注目したい俳優さんです。